流行の作られ方

先日久しぶりに明治神宮へ向かいました。冬のあいだは寒すぎるから避けていたけれど、桜が散り始め新緑が芽ぶいてきたこのあいだの暖かな午後にちょうどいいなあと思って。ここは散策にはとてもきもちよい場所。樹木の連なりから立ち上がるもあっとした空気はキリッと澄んでいて、シャンとする。
参道をゆっくり歩く。それだけでとても楽しい。中でも御苑がよいのです。かつて加藤清正の屋敷であったとのこと、のんびり回遊して迷いそうなほどの広さで、いつ行ってもその季節を豊かに感じさせてくれるのです。有料ということもあってかあまり人もいなくて、ひっそりとしているのもよくて。
ところが思いもよらぬ事態が待ち受けていたのでアル。なんと入り口に「整理券制になりました」とのお知らせが掲げられていて、中に入れない…。ええええええ?
はっ、そういえば、最近「パワースポットとして人気」という話を目にしたけれど、まさか…。
調べるとやはりそのとおり。年末にテレビで「御苑内の井戸の写真を携帯の待ち受け画面にすると願いがかなう」と取り上げられたことで突如、来園者が急増したらしい。井戸目当ての行列が出来、なんと数時間待ち!なんて状況が続き、その対策として「整理券制」になったのだという…。
呆れるというか信じられない! げんなり。。。「テレビ」「携帯」「パワースポット」「行列」、こうまでお決まりの記号が揃うもんなんだなあ、ロイヤルストレートフラッシュか。テレビで見ていそいそと集っている人は普段、どんな生活をしているのだろうか。きっと今なら「ラスク」、「ドーナツ」や「バームクーヘン」やこれまで流行りとされてきた数多のモノに行列したり、「◯◯様」だのなんだのと芸能人やらスポーツ選手や政治家やらにキャーキャー言ったりしてるんだろうな、超偏見&超想像だけど。


なんだかんだいって、テレビの影響って想像以上に大きいんだねえ。これじゃあテレビ番組作ってるひとが図に乗るわけだな。
と改めて思うのは、昨日のツイッタードラマを見たから。要は私もつられたわけだけど、あまりにひどい内容にムカムカして途中で見るのをやめちゃった。


そんなムカムカしてるときに、とあるご飯屋さんのブログでこんな話しを読んだ。
ある編集プロダクションより、大手出版社から刊行予定の「おひとりさまごはん」のお店紹介本に掲載したいとの電話がきたらしい。そこで快諾したところ、取材しないのでアンケートをお願いしたい、料理写真もそちらで撮影して送って欲しいとの返事が。…ええええええええ?それってありなの?ええええええ?
勿論そのお店のかたはお断りしたとのことですが、了解して無事掲載される店がこれまでもたくさんあるからこんなコトがまかりとおるわけで。ホットペッパーじゃないんだからさあ。にしてもここでも「おひとりさま」ですよ。まったく。
そういえば、我が故郷は時折雑誌の特集で取り上げられますが、紹介される店はいつも同じで、しかも地元民(モチロン私も)にはマズイと不人気なのであった…。