今年の音甘映画館

インスタで「私はこれを食べました」が箔付けになる時代なのだなあとスマホを眺める。あるお店のあるメニューがインスタで広まると、急に混むようになり、同じ品ばかり注文されて皆写真を撮るのだと、いくつかのお店の方からお聞きする。オープンしたばかりの店がまだ慣れない状態なのにインスタで人気になりテンヤワンヤな状況もお見かけしたり・・・ http://d.hatena.ne.jp/mikk/20170106/p1

と書いたのは今年の初めだった。流行語大賞を取るほどの猛威となり、先日インスタアカウントで「コーヒースタンドなのにプリンが超有名になり、朝から大行列&写真撮りまくり&プリンがないと帰る客がいる」状況を記した店主は、10年前他店で雇われていたときから美味しいマキアートを作ってくれて、数年前遂に独立。某おまけ誌面で私が綴った記事の素になった方だ。そしてもうひとり。6年前開店した珈琲喫茶のカウンターに立ち、店を辞めて流浪の珈琲屋となり、今も仮小屋で淹れ続ける店主さんのところも、この夏くらいかインスタでプリンが話題になって以来、開店時はいつも満席状態になり、先日は大行列が出来ていて、入るのを止めたのだった。

茶店は何のためにいくのだろうね。
と思う私が今年びっくりしたことの一つは、姉がカフェ巡りなインスタをしていて、挙げる店と写真が見事にどこぞで見たようなものばかりで、コメントもキャッキャッしてることだった。うむ。



今年を振り返ると、あれこれいろいろと納まってない気分なのだけど、私にとって2017年はそういう年だったということかもしれない。どこかとどこかのあいだにいる感じ。その先を見据えて考えて歩かないといけない、けれど、と歯切れ悪く留まっている。平成が終わり、その翌年まで、目に見える喧噪は更に激しくなるだろう。その中でどの道を歩いていこうか。何を見ようか。


「音甘映画館」と題したブログを始めて13年。10年一昔とはよく言ったもので、ブログ文化もすっかり失せて、SNSが生活の一部のような世間と、その反応性に、ブログとの違いを感じて戸惑うことも未だある。SNSはデモテープみたいなもので、音甘映画館はアルバムかなあと考えてみたりもする。SNSは歩きながら立ち話で、ここは家だとも思う。基本的な会話が苦手な私は、やっぱりここに篭ってひとり、つらつら書くことが好きです。


わざわざここを訪れてくださるかた、どうもありがとうございます。





最後に今年散策中に撮った写真で気に入っているものを。

あと4時間で今年も終わりです。と書いてもオンタイムで読む方は少ないだろうけれど、、、。良い年をお迎えください。そして来年がみなさまにとってより良き日々の重なりになりますように。