「脳内ニューヨーク」とかとか

ブエノスアイレス】”名画座ライズ”にて。公開当時ここで見て以来だから何年ぶりだろう。からだに染みていた通りに、今見てもとても良かった。3人の表情や仕草声色、ひとつひとつがヒリヒリとじわじわと胸に迫ってくる。最後の高揚感、あれいったいなんだろな。ひとりだけどひとりじゃないんだでもひとりなんだってわかったときの、からだが浮き上がる感じ。音楽の使い方もとても素晴らしくて。


見逃していた2本を早稲田松竹にて。【脳内ニューヨーク】は何処までいっても辿り着けない、くるくると空回りするだけの、徒労感に満ちた作品だった。現実と舞台と妄想が酸っぱくて苦くて薄いアメリカン・コーヒーのなかにまぜこぜになって、空っぽで満腹でもたれたままの腹の中に溜まっていく。何のためにものをつくるのだろう?どうしたら満たされるのだろう?毎晩毎晩脂汗をかいて見続ける悪夢。メタのメタのメタな表現をするしか無くなってしまうのは何故だろう?彼は既に「死んでいた」のだと思う。映画というよりは、ページが自動的にめくれていく小説を読んでいるようだった。
かいじゅうたちのいるところ】先に見た↑をどんよりひきづっていたかどうか、お腹ポテポテのオッサンの腐敗してドロドロと溶けてワケ分からん妄想をドップリ2時間見たあとだと、コドモの妄想なんてカワイイものとしか思えず、最初から最後までまるでノレなかった。「誰か相手にして!」と駄々をこねるのはどっちもおんなじなんだけどさ…。キャラクターの造形にも胸高まる「生き物」が感じられず。うむ。

ギンレイで二本立ての【抱擁のかけら】は巧みな構成に”らしい”アプローチだったけれど、ポイントが散漫になりすぎるように思えて、言葉に出来ない震える何かが無かった。併映の【ニューヨーク、アイラブユー】、オムニバスにありがちな「うわ、ツマンナイわ…」が続いて眠ってしまったら、気になってた岩井俊二作品とイヴァン・アタル作品が終わってたよ…。ナタリー・ポートマン作品はよかったか…と。
あと【ハングオーバー】は劇場で見るにふさわしいバカな映画だったなあとか、スコリモフスキーはオモロく変な人だなあとか、このところ見た映画からピックアップして、こんな感じで書き留め。

見た映画はその日の空気とともに書くようにしたいな…。