シングルマン/ブライトスター/砂糖菓子が壊れるとき


映画の感想はその日の天気や出来事、帰り道、そういうのを絡めて日記のように書きたいなあといつも思っているのだけど、ダメねえ。


シングルマン

シングルマン コレクターズ・エディション [DVD]

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昨年のベストに上がることも多かったこの作品、ようやく下高井戸シネマで見ました。
トム・フォードのコレクションを見ているような、心血注いだ一着のスーツのような映画だった。すこぶる上質で美しい生地と形は私の手の届かないところにある。だからこそ、素晴らしい。
浮かんだイメージを形にし、スタッフとともにひとつの揺るがない世界観を作り出しながらも、ビジネスとしてきちっと成り立たせること。デザイナーと映画監督はある意味近しいのかな。「プロジェクトリーダー」としてスゴい人だなあ。これまでの伝説にまたひとつ、加わったような。
心に残るシーンも多いけれど、コリン・ファースがメキシコ男と語らう赤紫の夕暮れ空の下が特に忘れられない。ああいう瞬間があるからこそ生きているのだと思う。


ブライト・スター いちばん美しい恋の詩
三軒茶屋中央シネマにて。冬はロビーに白い石油ストーブ灯ります。
19世紀初頭のイギリスを舞台に、ジェーン・カンピオンならではの端正な美しさが宿っていてうっとり。。。oliveの映画ページが浮かんでしまった。紹介されてたよね?って妄想が…。詩人ジョン・キーツ役のベン・ウィショーがとにかく素敵、かっこいい!ああっ、こうゆう「UKギターロックバンド顔」につくづく弱い…。

アイム・ノット・ゼア」のときも素敵だったよねえ。
で、話の方はですね、キーツと恋仲になるファニーが性格悪いうえに顔もかわいくないよね…と、これは妬み嫉みではなくて!、ななんかえええええ?って感じでうーん。。。


・砂糖菓子が壊れるとき
神保町シアターは次々と素晴らしい企画を立ててくれて震えます。今回は「文豪と女優とエロスの風景」、ありがとうございますっ。
主演:若尾文子、原作:曽野綾子という「アヤコたん」コンビに、脚本が橋田寿賀子でびっくりだ!明らかに「現実にモデルがいるよなあ」って登場人物なんだけど、文子たんによる「頭の弱さが心の弱さ」な女優:京子にヤキモキしたり、藤巻潤演じる野球選手:土岐ちゃんの「野球バカ」っぷりに大笑いしたり、それよりも!津川雅彦が!なんだか、かせきさいだあとイヴァン・アタルを足したみたいな感じで素敵ぃ!と密かに盛り上がってしまった。
あああと、文子たんの「ふりふりピンクのネグリジェとアイマスク姿」にズギューン!


・FRONTIER
桑沢デザイン研究所東京造形大学創立者である桑澤洋子氏の生誕100年を記念して、その出身である映像作家の作品が上映されたイベント「SO+ZO映像祭」、ユーロスペースにて。
「団地映画」ということで気になって見に行きました。昭和40年前後に建築されたらしきとある団地がひたすら映っているだけの作品。ストーリーもセリフもなし。写真をつなぎあわせたような、監督のコダワリが凝縮された作風なんだけど、そこから立ち上がってくるものが私には感じられず。。。好きな人はすごくハマるかもしれないけど、もちっと何か欲しかったです。