金土日祝のこと


【金曜日】まずは「here and there」展。最新号の特集「BLUE」に合わせた展示は小規模ながらも世界感が凝縮。繊細なコラージュをドキドキしながらめくり、見つめる。誌面で使われた何着かの「青い服」から生み出されたブローチが壁一面に並んでいる。同じ顔がひとつとしてない。殆どが既に「人の子」だったけれど、中からピッときた「私の子」を選んだ。会期後、届くのが楽しみだなあ。

→→→暗くなった表参道の裏通りをタッタカすり抜け、HIMAAさんのエキシビション「INSTALLATION SET 2」。一年前だったか、同じくここで個展を見た以来。あのときはよく晴れた日の昼間で、白い空間がとても心地良かった。久々に見て、更にいい意味で「人を喰った」よな飄々さが増していた。コピーショウも見たかったな。

→→→再びタッタカ歩き、ギャルソンを指加えながら(買えないからねー)サクっと見て、スパイラル。mina perhonen展覧会「進行中」。
「1995年の設立以来、洋服から家具、器などの生活デザインへとその活動をゆるやかに広げてきたmina perhonenの絶え間ない歩みを、何百と積み重ねてきた図案や一枚の洋服を生み出す圧倒的な仕事量で紹介する展覧会*1」という内容は圧巻。鉛筆書きのスケッチがデザイン画になり色がつき、デザイン画を具現化するにあたって最適な方法で原画が出来、パターンとなり、布地が生まれ、形が作られ、平面から立体へ変化し、一着の服になる。そこに到るまでにたくさんの人々の想像力と技術が注ぎ込まれている。どんなに美しいテキスタイルの服でも魔法のように一瞬で出来るのではない。凄まじいまでの仕事がそこにあるのだけど、各人のやりとりのなかにふっと温かいもの(FAXだったり手紙だったり)が見え、皆川さんが丹念に研いだ結晶がキラキラしてる。ファストファッションにはない、祈りのようなもの。私はこれまでもこれからもminaの商品を買うことはないだろうけれど、それは主義が違うからではなく、私には似合わないからだ。でもこれはminaとの正しい向き合い方だと思っている。

→→→表参道から緩やかな坂を下り上がりまた下り、夕飯用のパンを買おうとVIRON。棚ガラガラ。最近TVで取り上げられたことで「予約しないとバゲットが買えない」とのこと。信じられない。日中は行列で外まで溢れているらしい。相変わらずメディアに翻弄される(特に食に関して)ひとたちの浅はかさにウンザリする。ここ出来て何年だっけ。今まで買ったことないけどTVに出てたからって買ってしまうものなんだなあ。今更なんなんだ。これからもリピートするような人はいるのかどうか。店側も「売上が落ち着いてきたから」とカンフル剤にしているのだろうけど、影響力をどの程度認識し、踏まえているんだろうか。

→→→三茶に移動。カッパの中央劇場にてロジェの「メーヌ・オセアン」を見る。古い劇場でこれを見る喜びよ!スーっと平行移動する鉄道同様に流れていく物語。駅をいくつも過ぎて、途中停車して、山や町や風景が次々変わり、広い海へ辿り着く。でもまだ終点は見えない。今もこの映画が続いているような気がする。オッチャンたちがみんないい味!呑めるんだったらお酒呑みたいくらいなイイ気分で帰宅した。


【土曜日】休日でも朝7時過ぎには起きるのだけど、雨雨雨。ドーン! 涙。。。しかし私にはこの間買ったばかりのコロンビアのパッカブルがあるのだ!これさえあれば雨なんてヘッチャラと家を出て、新宿へ。
まずは腹ごしらえにカレー。ここのは油をあまりつかっていないからもたれなくて、体がスッキリするから好き。美味しかった。
伊勢丹の4階だけザクっと見て、マルイの一階を忍者のようにすりぬけて、ユニオン。spectrumの12inchやら、昨日聴いて欲しくなったVERONICAFALLSの7inchを見つけドキドキしながら購入。1階はいつも陳列してるの全部欲しくなる衝動に駆られるけど、ココロ落ち着かせる。
雨もひどくなりそうなので早々に我が街へ戻る。スーパーで夕飯の食材、和菓子屋で栗きんとんなど購入し、足早に家へ向かうところでじゃんじゃん降ってきて、ギャーっと叫びながら帰宅。
パッカブルは柔らかいし履いてて楽だった! 録画しといた「パイレーツ・ロック」を見る。ぐだぐだと笑ったり喋ったりしながら観るのに向いてる。ツッコミどころなど言うのは野暮ねと、60年代ロックの定番名曲を口付さみながらワクワク楽しんだ。主人公の男の子がカワイイ。
夜は今季初の鍋!定番の豚しゃぶしゃぶ。良いお肉と、葱ともやしとわかめとエリンギ。美味しかったなあ。


【日曜日】またしても朝は雨。フジロックの特番見たけども、オレンジとヘブンが無視されてて哀しかった…見たければCS加入してねってことですか…。MAGMA見たかった…。
雨も上がり明るくなってきてお出掛け、下北。いつもどおりにカレー食べてレコ屋見て珈琲飲んで。
新規ビルの「テナント募集中」は相変わらず多いままだけど、新しい店もチラホラ。露崎商店のビル、外見はかなり出来上がってた。風景が変わるなあ。
気温が上がってムシムシする。夕暮れはまるで夏のようなひかり加減。帰宅後、aokihayatoさんのアルバム聴きながらクールダウン。それから気温が少し下がってきて、younggroupの1stのひそやかなな音がよく似合った。
夕飯はきのこ鍋。これも定番。椎茸・はたけしめじ・舞茸・なめこにブラウンえのきをたっぷりと。ネギにごぼうにちっちゃながんもに焼豆腐。美味しい秋の味覚。
ご飯後に太田和彦の居酒屋探訪番組見る。いいなあと思いつつも、テーブルに並ぶ珍味は全く食べられない。そういえば今日は10月10日、「晴れの特異日」じゃなかったっけ?


【月曜日】祝日。スッキリと晴れて嬉しい〜!こんな澄み切った秋晴れの下、近くの小学校が運動会らしく「the 運動会BGM」が聞こえてくる、牧歌的な朝。
金木犀のオレンジ色が地面に広がっている。
広い野原で宗教ソフトロックを聴きながら、ワーイ!とジャンプしたり転がりたい気持ちにもなるけど、お散歩に出掛ける。ただ歩くだけで幸せ。しかし意外と強烈な日差しで、ぐったりきそうな感じなのでのんびり歩いて、喫茶店に寄ってぼーっとしてから、古本屋。久しぶりにこの店に来たら、欲しいイッパイで血がのぼる。ここの品揃えと価格設定は素晴らしい。ホクホク帰宅。
蚊に刺されてカユイーと悶えていたら、「いしや〜きいもッ」とすっかり忘れていた呼び声が聞こえてきた。

*1:サイトより引用