L'altra/O-nest

2008年の来日公演(→感想)以来。
彼らのアルバムは「薄氷が張った湖」のようで、その凍った水面には「透明な哀しみ」が漂っていて、そこがとても好きです。前回のライブでもそれを生で感じて、胸がぎゅっとなりました。
しかし今日のライブではそういう感触はなかったように思えました。2人の声とドラムが重なりあって生まれる「マジック」が無かった。いい唄なのは勿論だけど、、ピンと張った緊張感のなかから静かに高ぶるエモーショナルな部分が感じられなくて、もどかしかった。
でもそれは私の体調や、今の感覚によるのかもしれません。他の観客は非常に盛り上がっていたし、これまでとかわりない素晴らしいライブだったのかと思います。
どちらかというとほんわか、としていてそれは1999年〜2000年初頭の「あの時代」の空気から、「2011年」の空気へと変化したってこと*1かもしれないなあと、渋谷の坂道を下りながら思ったのです。

*1:事実、この数年の音楽シーンの感触は、90年代後半とも00年代とも違うと思います。