集落が育てる設計図‐アフリカ・インドネシアの住まい‐ 展

銀座一丁目へ向かい、ちょっと時間があったのでどうしようかなと、、とここを思い出し行ってみた。INAX…じゃなかった「LIXILギャラリー」。
現在開催中なのは「集落が育てる設計図‐アフリカ・インドネシアの住まい‐ 展」、これがとっても楽しかったです。

東京大学生産技術研究所の藤井明研究室(建築計画学)では、40年にわたり世界の伝統集落や住居の調査・研究を行ってきました。
その中から住居づくりの原点である「土」からなるアフリカと、「木」からなるインドネシアの住まいを、また民族ごとに異なる住まいのあり方をご紹介いたします。

広くはない場内に展示物がギッシリと。住宅模型は見るだけで楽しいし、じっくり細部まで見つめているとそれぞれの特徴や構造がよく分かります。
フィールドノートなんてなかなか見る機会はないものまであり、細かに描線された記載はまさに宝で、調査の臨場感と冷静な視点が伺えるのです。

風土が近しいと住宅様式も同じであるとは云えず、同じ風土を持ちながら住宅様式は異なったり、また異なる風土でありながら同じ様式を持つこともある。そして風土には決してそぐわない様式を持つこともある。
風土が住宅の様式を決定する大きな要因にはなるけれど、部族ごとの宗教観や社会制度に寄るものが大きく、固有の住宅の様式を持つことで集団意識を高めることが興味深かったです。

集落が育てる設計図 (LIXIL BOOKLET)

集落が育てる設計図 (LIXIL BOOKLET)

毎回ここの展示は図版が素晴らしいのですが、今回も!装丁がとっても素敵〜。ちなみに祖父江さんとこのコズフィッシュが手掛けています。

余談:現在の都内近郊ではいわゆるペンシルハウスと呼ばれる建売住宅の群がよく見られるわけですが、あれって風土とはまるで関係ないのだなあ。周囲は似た家族構成と収入であることから集団意識も生まれ、また極めて一世代な建物である(土地に結びつかない)のだなあとぼんやり考えてみたり。