ギャラリー巡りたのし。

9月末、夏休みを取った1日をギャラリー巡りした記録です。最近なかなか足を運べていなかったので、なにかないかなと探して作品を見て回るのは楽しかったなあ。
石井保子さんの個展は大山顕さんのピックアップで知りましたが、後は美術サイトTABを参照して知りました。ザーッと今やっている展示情報の各写真を見て、ピッときたものを詳細を確認して絞り込む、というやり方。全く知らない作家でもこうやってキッカケを作って出会うことができるのです。伊藤進哉さんの「チェコ 微光の街」がとっても良かった。見ることが出来て嬉しい。
散策しながらギャラリーに立ち寄る楽しさよ。


新宿ニコンにて 石井保子「houses」
散策をほうぼうでしていて、時折、関東平野の郊外に広がる田んぼのなかにポンと、小さな建売住宅が並んでる風景に出くわします。よくあるそんな風景だけど、何処かモヤッとするのです。その土地の在り方や風土をそこに感じることなくただ唐突に「出現」したように見えて、違和感があるのです。勿論そんなこちらの思い込みは持ち主にとってはいい迷惑でしょう。石井保子さんの写真はそんな様々な感情すら可笑しみに変えたようにさらりと浮かんでいて、コクリと頷いてしまう。でも自分の家が写ってたらビックリするだろね。
http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/09_shinjyuku.htm#03


御茶ノ水へ移動、ユニオンに寄ってから湯島天神の向こうに渡る。ビルの間の谷間に小さな公園があるのを見つけ、その隙間っぷりはちょっと面白かった。
ギャラリーバウハウスにて 伊藤進哉「チェコ 微光の街」
初めて訪れた場所だけど、ギャラリーというよりは美意識高いお家に招かれたよう。リビングを飾るように陳列された写真の数々は、ゼラチンシルバープリントによるモノクロームの微細な光と影が美しい。しばらくぽーっと見とれてしまった。場内にディス・モータルコイルが流れてて驚いたけど、しっくりとよく合っていた。なんて素敵なのかしらとスタッフの方にお聴きしたら、ギャラリーのオーナーの趣味だそう!
http://www.gallery-bauhaus.com/120905_ito.html


総武線で東へ。秋葉原を超えると「遠いところへ来た」感とアウェイ感が出るわあ。そして浅草橋へ。
ラディウムにて 佐藤好彦「SCHEMA」
エフェクターやギターが”増殖した”作品でお馴染みだけど、今回はコックピットのツマミがモチーフ、しかも平面でした。規則的に並べられたツマミに添えられた英単語が理解できると面白さが増すのかもしれないけど、分かる範囲だけでも面白かった。立体のがやっぱり高鳴る、、、ケド、このひとの作品は好きだなあ。
http://blog.livedoor.jp/roentgenwerke/archives/51450309.html


馬喰町といえば取り上げられるアガタビルのお隣り、長らく空地じゃなかったっけ?マンションどーん!でビックリ。アガタのなかは店増えたのねえ。入らないけど。「おしゃれエリア」としてのイメージがすっかり付いたこの町だけど、そんなのはほんの一角。いわゆる「オバチャン服」を中心とした旧来な服飾の卸売が並び、ちょっと時代に取り残された雰囲気が正直のところある。


次行くギャラリーをぐーぐるさんでぐーるぐる、示された場所に向かうも、あれ?違う!だまされた!と、ぐるっと回って辿り着いたギャラリーは、以前来たことあるトコだった…。


ギャラリーハシモトにて 山本糾「jardin 」
水辺の向こうの鬱蒼とした森は皇居とのこと。黄味がかったエメラルドグリーン、静寂。中の狭さが作品に合っていない感じで目の前の碧に溶けこむことが出来なかった。
http://imaonline.jp/ud/exhibition/503458916a8d1e723f000001


都営浅草線日本橋から宝町へ。こっちから見る銀座界隈は別の顔の気がする。
lixilギャラリーにて 磯野迪子「looking at windows
今日までだったので滑り込み。”大山総裁ばりに”マンションや団地をべランダ側から真正面に映した映像。時間の経過とともに洗濯物が出たり入ったり、風にそよいだり、動きが出ることで不思議なリズムをつくりだす。編集そうとう時間かかったのではないだろか。2作品のうち、ひとつは環境音楽みたいなピアノ曲がついているのが安っぽくて気になったけど、もういっこは川沿いの団地(江戸川あたりの都営?)で、手前に流れる水の音が聞こえてくるのが良かった。


宝町から三田へ移動して散歩しながら白金高輪(このあたりすき)へ向かいもひとつ、明後日までの展示を見る予定だったけど、もう帰らなきゃな時間なのでやめた。こういう時間がすぎるのはあっという間だなあ…。


10月も半ばとなり、朝窓を開けると入り込む空気はすっかり秋冬の感触がして、金木犀はますます濃厚な薫りを放っています。朝の音楽はamerican analog setやpalaceなど、冬仕度となりました。
さてはて、映画(新作の)やちょっと旅(川のある街)やライブ(旅の途中で)のことなどなど、少しづつ書き留めていこうと思います。