「パパの木」

昨日の土曜日。見に行けないだろう&会場が苦手…と見送った仏映画祭を尻目に同じく銀座へ向かい、シネスイッチにて「パパの木」を見る。初回だからかあまり人がいなく、私が一番若いくらいな年齢層。
監督のジュリー・ベルトゥチェリの前作「やさしい嘘」が良かったのと主演がシャルロットなので、見ることにした。
舞台はオーストラリア。タイトルになっている「巨大ゴムの木」が物を言わぬ主人公、2年かけて見つけ出したそう。この樹に寄り添って建てられた家屋は「ビフォーアフター」で「樹が生えた家」などと取り上げられてもおかしくない…。
家のインテリアとかちょっとした小道具、服装に丁寧に手がかけられているし、シーンごとに込められた思いは伝わるのだけど、丁寧な箇所と端折った箇所の差が大きくて、イマイチ唐突感が否めない。。。家族の一員が急逝し残された者の話は多々あり、ラストシーンも同じような「あの夏の子供たち」をふと思い出したけれど、キラキラと瑞々しい希望の光を感じさせたあちらに比べると、こちらはビターな後味が残ってしまった。監督なりの希望であり、それでも進んでいくんだってことだとしても、全てが喪失したあとの開き直りが未だ徒労に乗っかっている感じがした。むーん。。。「ここで終わりぃ?」って思っちゃったよ。
シャルロットは相変わらずシャルロット、役柄によくあってた。娘役のシモーンの駄々っ子ぷりに、かつてシャルロットがよく演じた娘役がふとよぎった。