「暖春」

金曜はY氏がお盆のUターンラッシュを逆行して(とはいえ下りも混んでる)、6時間かけて山陰地方へ出張。土曜の朝はひとりで喫茶店のモーニングを食べてから映画見に行こう〜と思っていたのに、あっという間に時間は過ぎ、朝ご飯も食べないまま上映に間に合うか?ってバタバタとお出かけ。
神保町の森光子特集、今日は中村登監督の「暖春」でした。光子は京都で小料理屋を営む母親役。ひとりで育て上げた娘には岩下志麻*1!顔立ち似てなさ過ぎ…というのは置いといて、まあこのお志麻様が神々しいくらいに可憐で気品ある美しさ。女性の憧れる部分を全てを併せ持つよなこの美貌。それでいてコミカルな酔いどれ芝居をこなしているけど、この辺が近年のドラマやCMでのお姿繋がるの…かしら。。。まさかの「しぇー!」に笑う。ずうっと一線で活躍されていながら、プライベートでもお幸せそうで、あの頃の女優さんでそういう人なかなかいない気がする。・・・あ、今回は森光子特集だったね。。。


端々で笑わせながら、最後はしっとりと泣かせてくれる。山形勲有島一郎の良き時代の日本のオジサンっぷりや乙羽信子のコワいメガネオバサマっぷりなど、各人物のキャラが立っていてとても面白い。それにしてもお志麻様の役柄はなかなかヒドい。美人だから許されるとばかりな我が儘&醜態じゃーないすか。それが面白いんだけど。ああやって結婚後どうなったのかなと想像してしまう。
1966年/昭和41年という時代が殊の外詰まっていて、さっきの「しぇー!」然り、鼻歌で「鉄人28号」の主題歌とか(それもほぼ1コーラス)、お金持ちの子供たちは離れでエレキギター弾き鳴らし(ビートルズが来日した年だ!)、夜食でチキンラーメン(お湯の量適当)などなど、それに晴海団地がチョット出てきた!外観カッコイイ〜。こういうのをきっちりと描いている映画は楽しいな。今の映画は50年後、どう写るのだろう?

観客は年配の男性が中心だったけど、奥さん連れて見に来てもいいのにな。母娘どちらの気持ちもわかるだろうし、夫と妻それぞれの思いも笑い話になってるし、見終わって会話が弾むのではないかしら、逆だったりして。


そのあとはユニオンでにせんねんもんだいの12inch買って(さいこう!)、夕方に帰京したY氏と入ったのが珍しくビアバーで、宮崎の地ビールを飲んだ。自分でもビックリ、ハーフパイント飲み切ったよ!美味しかった。そして遠くから花火を見た。夏。

*1:wiki見たら「『秋日和』の数シーンで岩下を起用した小津安二郎監督は、彼女の女優としての素質を見抜き、「10年に1人の逸材だから大切に育てるように」と松竹の幹部達に語ったという」て逸話凄いね。。。