不思議な動き キネティック・アート展〜動く・光る・目の錯覚〜

損保ジャパン東郷青児美術館にて開催のこの展示は楽しみすぎて、先日向かったらまだ開始前だった…という大失敗をしでかしたのですが、指差し確認、改めて行ってきました。
公式サイトを引用するに「1960年代にイタリアを中心に展開したキネティック・アートを日本で初めて総合的に紹介する試みです。先駆的なブルーノ・ムナーリをはじめとするイタリアの作家たちのほか、フランスやドイツで活動した作家たちをあわせた30余名による平面・立体作品約90点を展示します。いずれもイタリア国内のコレクションからの出品で日本初公開です。」という内容。
「キネティックアート」とは「動く美術作品」を指しますが、単純で新鮮な驚きと喜びに満ちていました。動き・光・色、作品によって表現は様々ですが、「新しいものを創りだそう」という当時の空気と気高い実験精神*1がヒシヒシと感じられつつ、今動かすと随分ローテクな愛らしさが生まれているのが面白い。ちょうどこの時期なので夏休み企画という側面もあると思いますが、これ見て自由研究で作ってもらえたらいいよねえ。

メインの「動く」作品も楽しいけど、個人的には前半の平面絵画が好き。特にフランコ・グリニャーニさんの作品が!歪む時空間。わーsonicboomさんのジャケの世界だー。今まで印刷物でしか見たコトがなかったけれど、実際の作品を間近で見ると筆の跡が感じられてめちゃくちゃぐっとくる・・・。ビルの空調のモーター音がドローンとなって、、、、ぼーっとハマってしまった。

空調の音は会場が70年代建築なもはや古いビルヂングだけに響くのだろうし、美術館然としていないここだからこそ、へんてこ気分が生まれたように思える。会場次第でアプローチが随分異なるのではないだろうか。近くのICCと共同企画すると面白いのになー。

*1:グルッポN、グルッポTというようにグループを組んで、各方向性に則って表現しあっているのも興味深かったなー