うつみようこ 対 ヤマジカズヒデ

9月1日、代々木 Zher the ZOOにて。 この対バンは先日の紅布キッカケなのでしょうか。だとしたらフットワーク軽いところが素敵だな。あのときに2人は同学年だと判明したんだっけ。今日は1969年生まれ 47歳のキュウちゃんが一番年下らしい。
先攻はうつみようこさん。紅布での唄声にはじいいぃんと来ましたが、今回も素晴らしかった。曲ごとに圧倒し、MCではあっけらかんと笑わせ、ウワースゴイなあと思いながら後半の「ユー メイ ドリーム」。サビで胸にウッと来てマジで涙が滲んでしまった。「それがわたしの」って畳み掛けてからの「ユ メー」ってとこで、グハッと胸に刺されたのだった。名曲だけど特に思い入れは無かっただけに、自分でもびっくりした。豊かな声とそれを盛りたてる演奏と、楽曲の力と。恥ずかしながらいまさら知りましたが、作曲は鮎川さんと細野(晴臣)さんなのね。*1 カバーでも自分のモノにし、原曲の良さを伝え、聞き手に新たな気づきを与えてくれるのって「音楽愛好家」だからこそで、ビジネス臭ばかりのカバーが蔓延した昨今、改めて滲みますね・・・。


さてヤマジさん。ドラムにキュウちゃん、ベースに穴井さん。R&R!でアツくラフな空気。ギターの音色がいつもと違うと感じたのは、今日のセットの所以か最近の研究の所以か? キュウちゃんのドラムはパスっと落ちて、穴井さんのベースラインは楽しくて、いい意味でギターが前に出てなくて良かった。ヤマジさんがどんなにキレキレに掻き鳴らしても踏み込んでも、全体がぼやっと団子にならなくて「3人で」転がってく。穴井さんやキュウちゃんがそれぞれ唄ったのもよかったなあ。個人的にとても嬉しかったのは「season of the witch」で、キャーLUNA(のカバー)気分?と思いきや最早ヴェルヴェッツだった。更に続いて「like a daydream」!!!ぎゃあああー。このメンツでコレやるとは!まさかな選曲!ラストは「I wanna be your dog」、この間見た「イレブン・ミニッツ」以来ずっと頭に残ってたからいつも以上にテンション上がった!


アンコールは全員で。大盛り上がり。うつみようこさんのツワモノたちを後ろにブンブン振り回しなぎ倒す様はホントカッコイイなあ。今日の大将。ヤマジさんのイキイキと楽しそうに弾きまくる姿、嬉しい・・・。完コピなギターワークだろうけど力の抜けた佇まいが新鮮。苗場食堂ってこういう感じなのかな。先鋭的であったものが安定感に替わる。ロックって伝統芸能でもあるなと、こういうライブを見ると思ってしまう。

*1:鮎川さんのこのインタビュー、細野さんがプロデュースすることになった経緯など、あの頃の時代が見えてきてとても面白いです。→ http://musicshelf.jp/pickup/id11049/