暮れのご挨拶

一幸庵にて上生「椿餅」「冬木立」をいただく。「椿餅」は椿の葉で羽二重餅を挟んだもの。この餅がとろっとろのとぅるっとぅる。あまりに滑らかでゆるい仕立てなので薄く透明な羊羹かけをしてあるけど意味を成さないくらいで気をつけて食べないと手から零れ落ちてしまう。中にはさらさらの漉し餡。口にいれるとすううっと溶けていく。味わうよりも驚きが先に立つよこれ。こちらのお店はわらびもちも同じように溶けそうな滑らかさだけど、椿餅もこのような仕上がりとは。びっくり。「冬木立」は薯蕷饅頭で上にほのかに格子が見え隠れ、いただくとこの格子は柚子の皮でできていて、ふわっと香りが広がってゆめごこち。冬の上生は寒さのなかできりりと立つ、削ぎ落としたミニマルな美しさで素敵。


すっきりと晴れた平成19年、2007年、最後の日、意識しなければ今日と明日とで年が違うことなんて気がつかないけれど、新宿のビル群も遠くに良く見え、通りは静か、空気がきりりとしています、今夜は蕎麦を食べて一日が終わることでしょう、そして新しい年がやってくるのだなあ。


日々、ここを読んでくださっているみなさまありがとうございました。あと6時間強となりましたが、よい年を。