dip at Unit

久々のワンマン。ガッシリとした、でも重過ぎない車体でメンバーそれぞれがハンドル握って荒野の一本道をゴール目指して走っていました。これまではメンテナンスしてない車体で「13階段の荒野」の道なき道をあてもなくブッ飛ばしていただけとしたらば。
今はゴール目指しつつもその向こうにまだ道は続いていることを実感させる走りっぷり。メジャーデビューして15年(!)、幾度も解散の危機があったけど他のバンドのようにならなかったのはdip=ヤマジだからこそなのだけど、泥酔運転しっぱなしだったのがようやく一般道を走り出したように思えるのです。
ということを思うのって今までどんなバンドだったんだよ・・と失礼にも程がある言い草ですケド、すんません。。

男の人が増えた!それも前のほうに来る人が。んで歓声も増えたよねえ!

新しい曲と昔の曲織り交ぜつつの選曲を聴いていると、「新譜の曲はギター2本とベースとドラム、4つのパーツが併走したりアタマひとつ抜き出たり引っ込んだりしつつも全体的にはフラットな印象」だけど、「過去の曲はがーっとぶちまけてるササクレだった音の塊だなあ」と改めて思えます。いま昔の曲をやっても昔話で終わるのではなく、いまのブレない強さの怒涛の疾風で打ち出されるのがカッコよかった。
「lust for life」カッコよすぎ。。。いつもはヤマジギターの特攻に狂うワケですがナカニシドラムがドコドコやってくるとは・・・!ぴゅーっとアタマが天井に吸い取られそうだったよ。。

個人的感涙曲は「fall in holy」でした。1st収録の大好きな曲です。後半のゆっくりと旋回しながら上昇していく音に幾度となく包まれながら「このままずっと鳴り止まなければいいのに!」と願ってしまう、この曲の「若さゆえの青さ」がそのままに、でも壊れそうではなく「確かな線を持って」伝わってきたことに泣けました・・・。

ヤマジギターには相変わらずシビれるんだけどもソレばかりが立つのではなく、落ち着いて手綱を引くナガタギターあってこそだよなあ!ナカニシドラムの回遊する感じがいいよなあ!と感じるのです。
そしてべラベース。これまではどこか外様の印象があったのですが、全体の枠をつくりだしているように感じてハッとしました。(プロデューサーだから当然といえばそうだけど)

「bent your head」の後半インスト部分、以前だったらもっと高みにいくような感傷に寄り添ったギターが奏でられたように思うしいつもそこにグッときていたのだけど、今回はその高ぶりが若干薄く、寧ろ敢えて抑えたように感じました。こう、キリリと鳴っていたのです。ライブ全体が太い一本の道で、尺と幅が決まってて、曲ごとの大きなメリハリを敢えてつけてないというか。タイプは違うけど「feu follet」「エミルー」に関しても同様に思えました。

これは昨日の私の感覚のせいにもよるし、unitというハコのせいなのかどうか、音の幅が妙にクリアに一本調子のように感じましたが、どうなんだろう?音響に詳しくないのに言うのもなんだけど。

帰り道、体を冷まそうとひと駅分アイス食べつつ歩きながら、きょうのライブを振り返る。dipはいろんな修飾語や形容詞などついていない、イマドキ珍しいくらい「真っ当な」ロックバンドなんだ。それをヤマジは改めてやろうとしているのかなと思えるライブでした。今年は対外試合をガンガンやっていただきたいデス。フジのレッドマーキーで見たいデス!