目黒をゆく

気分良く映画館を出て、夏を感じさせる風に吹かれて散歩しようと坂を下っていった。目黒には久々に来た。坂に面した目黒通り沿いはアーケード商店街になっていて、飲食店を中心に賑わう金曜の夜。ウエストに入りたい気持ちを抑えて更に下る。
適度に古い商店街の雰囲気が残りつつ活気があって、いいなあ。思えば目黒って映画館もあるし美術館もあるし、素敵な喫茶店も珈琲豆屋も、HMVも出来たし、バスに電車 交通の便もいいし、なななんかすんごく理想的な街じゃない?
そんなコトを思ったら広がっていた目黒川の景色。夜の闇と川の闇、ぽんぽんと光るライトに見とれてしまう。

急にドキドキしてきてウワウワしながら山手通りへ出て右へ曲がる。会社も多いこの通りをすたすた歩く。こういう駅と駅と間の「通うには不便な」大通りを歩くのは好き。時間の流れがなんか変でいつのころかゆっくりと止まった感じと急にぼこっと時間が進んだとこが混じってる。こうゆうとこにトーキョーを感じる。
おっさん居酒屋やガッツリラーメン屋が多かったのに、オサレ飲食店が混じり始めたのは地名が中目黒に変わった合図だと思われる。その度合いが増していって、駒沢通りを混じる交差点に着いた。
目黒川沿いの店に寄りパンを買う。この時間だとさすがに選択肢は殆ど残されていなかった。けどバケットだから良しとする。駅近くにオープンしたパンとケーキの店にも寄ってみたけどピンとくる顔をしていなく(デニッシュが多かったこともある。←苦手)そのまま店をでてしまった。
中目黒銀座を歩く。古本屋や古着屋に立ち寄るも何も買わず。うねうね歩いて路地に入ると神社がある。

赤い提灯と青い紫陽花が灯る。通りの喧騒と向こうの高層マンションの存在がしゅんと消えて静かに佇むそのなかから、しゃんしゃんと猫が歩いてきた。