bibio/vignetting the compost

Vignetting the Compost

Vignetting the Compost

自分にとって大切になるアルバムはジャケを目にした瞬間から運命が定まるものですが、これもまさにそう。ワルシャワの棚に置いてあるあの感覚を私は忘れないことでしょう。
真昼のもあんとぼやけて霞んだしろいひかりのなかきらめく粒子に誘われて記憶が遠くなっていく、爪弾かれるギターのアルペジオは永き眠りに落ちて行ったり来たりのカセットテープの回転音と重なり合ってさやさやと揺れている、眩しくて掲げた掌には樹々の緑、目を落とした足先には芝生の緑、草のあいまには茸がにょきんと顔を覗かせて、近くて遠い小川のせせらぎや鳥の鳴き声が木漏れ日の隙間から聴こえてくる、頬を撫でるやわらかな風、息をふううと吐いてごろんと寝転がる、その下には誰かが眠ってる。
アコースティックでアンビエントサイケデリック、そうそうブリティッシュフォークな響きもあって。日々の(特にまどろむ春に)サウンドスケープとして傍らに置いておきたいお香のようなアルバム。
映像がとっても素敵だったので、是非見てください。


この映像も、楽曲の制作演奏も、スリーブの写真とデザインも全てbibio=Stephen James Wilkinsonひとりで行っています。ジャケのイラストは彼がコンセプトを伝えてArezoo Robinson(おともだち?)が描いています。