[館] 2000円の「ぐるっとパス」で9コ展示を見ましたよ

見に行きたい美術展がいくつかあって、そういえば…と改めて見返したのが「ぐるっとパス」のHP。
http://www.rekibun.or.jp/grutto/
「都内の美術館などの入場券または割引券がつづられた、便利でお得なチケットブック」なんですが、存在は知っていたものの内容を把握しないままだったのです。
すでに愛用しているひとも多いでしょうし、今更…ですがメモ。

【対象施設】 都内66の美術館・博物館・動物園・水族園
*各施設指定の展示を1回ずつ利用いただけます。
【販売場所】 ぐるっとパスの全66対象施設の窓口等
【販売価格】 2,000円 大人料金のみ
【販売期間】 平成21年4月1日〜平成22年1月31日
【有効期間】 最初に利用した日から2ヶ月間
(ただし最終有効期限は平成22年3月31日)

とのこと。東京都歴史文化財団が行なっているので、対象施設には「bunkamura」「ワタリウム」みたいなトコはないですし、西洋美術館など常設展はフリーパスでOKでも企画展は割引料金のところもあり、注意が必要。
入館料は何処もだいたい〜1000円くらいなので、ちょうど見たい展示の期間が2つ3つ重なるだけで、かなりお得に使えるのだ!


ということで以下、「ぐるっとパス」を使っての鑑賞記録を長々と綴ります。

  • オペラシティ アートギャラリー「ヴェルナー・パントン展」(開催中)

パントンといえばこの椅子。

ミッドセンチュリーと呼ばれ、90年代後半にオサレアイテムとして流行りまくったことを思い出しますが、とっても充実した展覧会でした。パントンチェアはヴァージョンごとに変化する様を確認出来るし、"ファンタジーランドスケープ〜ヴィジョナ2"や"3-Dカーペット"など空間として体感も出来てウットリ夢見心地…(※脱ぎやすい靴で来館することをオススメ)。ラフスケッチもたくさん見ることが出来たのも嬉しい。

前書きについては私の理解の範疇をかるーく超えたものですので、すっとばして単純な感想を。
《アストロバルーン 1969 リヴィジテッド――フィードバック・スペース》…透明なバルーン型スクリーン(脳や臓器のようにも見える)の中に入りハンドルを握ると、心拍数が周囲のスクリーンに「光と音となって投影される」インスタレーション。しばらくそのままでいると光はかたちを変えていき、からだが浮遊していく感覚に陥るのがきもちよかった。スクリーン=建物と私が一体化していく感じ。
《ブレイン・シティ・ラボ》…私が動くことで「ある地域の一部を表した立体地図」上に都市が生まれていくインスタレーション。都市計画の話によく出てくるようなことが「目に見えるように」表されたもの?都市がつくられていく流れが体感できるような、なんだか変な昂揚感がある。
オープンスペースは展示が入れ替わってて、また改めて楽しめました。ここ、だーいすき。

"甲武鉄道として開業した中央線の歴史と多摩との関わりについて"の資料を展示。もちっとたくさん&見やすく構成してあると嬉しかったケド、当時の写真だとかにいちいち声上げながら楽しく鑑賞しましたヨ。


以下は既に終了していて申し訳ないのでたたみますが、気になるけど行ったことない美術館だという人も多いのでは?「ぐるっとパス」を活用して、是非!

  • 大倉集古館「館蔵品展 花・華 -日本・ 東洋美術に咲いた花-」


かなり前から気になってたけど、敢えて行くのもねえ…だった場所。フリーパスで入れるし、ちょうどいい展示会をしてるので行ってみました。「大倉」というのは「ホテルオークラ」の創業者が建てたもので、ホテルに隣接しています。

建物がホンットに見物!エエー!って仰け反りました。企画展では珍しい作品を数多く鑑賞出来てとてもよかったです。特に横山大観の力の抜けたような絵が素敵でした。大倉と旧知の仲で贈呈した作品だそう、2人の関係性が伺えてうらやましく思えました。

  • 菊池寛実記念 智美術館「赤 黒 金 銀 緑 青  前田正博の色絵」


ここも行ってみたいと思いつつ、だったところ。地下にある展示室へ降りる階段の手すりも作品になっていて、見事。静かで落ち着いたいい空間です。陶芸家である前田正博氏の作品は初めて見ましたが、ふくろうや植物を柄につかった器がかわいらしく、色使いも粋で良かったなあ。

はとバスツアー?の団体がいて話し声でイッパイ、一部撮影可の展示作品があることも重なって、無法地帯に…。でもここ、すっごく楽しい!江戸の歩みを知るにはいいところ。「ねこ展」は擬人化ねこが銭湯に入ってるの、カワイカッタ!!


李朝のうつわ、すっごくよかった!ガラス越しで手に取ることができなくても、心が動かされるほどの気品を持っている。実物を目の前にするとやっぱり違う…。広いお庭散策も楽しい、穏やかな美術館。


70年代の日本の銅版画が中心で、全体的に好みではない作風が続いてちと辛かった。ただ、若林奮の作品が見れたことと、リトグラフでカッコイイのがあったから嬉しい。かなり点数が多く細かい描線の作品が多かったのでさすがに疲れるのだけども、ふと気がつけば鉱石が隅っこに置いてあって、「目が疲れたら見てください」などど記されていたことにぐっときた。ここの学芸員さん、スバラシイ!!


あと、既に感想書きましたが、東京都庭園美術館「Stitch by Stitch ステッチ・バイ・ステッチ〜針と糸で描くわたし」
なななんか、元取ったる!って勢いでバシバシ見たように思われそうですが、2ヶ月でもけっこう見れるんですよね。近くに固まっているものも多いし。まだ見に行く余裕あるくらい。
今回別途にチケ持ってたので使わなかったけど「東京都写真美術館」も見れますし、「ブリヂストン美術館」「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」もオススメです。
「大倉集古館」や「菊池寛実記念 智美術館」などへ行くキッカケになったことも嬉しい収穫。すごーくいいパスだなあ!