Jesus Jones "Farewell " Live

90年代前半に出現した音達にココロを奪われた身にとって、 Jesus Jonesはキーポイントになるバンドだ。80年代の終わりにこの10年を総括するように音楽をどんどん吸収したところで登場した彼らには、「新しいカッコヨサ」があった。田舎で1st国内盤を買って以来、私の中で古びることがなかった。何ヶ月か前、我が家での何度目かのヘヴィーローテーション入りをしている最中に”最後のライブ”を称する来日公演が開催されると知って即チケを購入したのだった。

赤坂ブリッツは一時閉鎖して復活後初めて来たけど、辺りはすっかり変わっていた。会場内に集う人々は30代後半〜40代。ステージ前2列以外は、壁際とか後ろとか”居やすくて楽な”場所が埋まっていったのはご愛嬌(私もねー)。実のところ集客が心配だったんだけど、19時近くなって仕事帰りに駆けつけたスーツ姿の人々を加えていい感じにイッパイになった。ダウトTシャツ着てる人何人もいる!
暗転して、音が鳴った瞬間に一気にテンションが上がって体が勝手に動き出した。

ある意味彼らのテーマ曲のような「Who? Where? Why?」で始まった演奏はパワフルで、マイクの声も当時と変わりなく下のほうからグオーと突き上げてくる太さがあってカッコヨカッタ。この人の声好きだなー。体型は変わらないけどサラサラ長髪ではなく短髪で、スケーターな格好ではなく(帽子も無い!)、紫のてろ〜んとしたシャツを着ているので「お前はブレット・アンダーソンか?」と問いかけたくなるようだった*1。メンバーの見た目はサッカー好きなオッサン風情であった(ちょう失礼)。

「Move Mountains」!大好きな曲!次々と代表曲を畳み掛けてきて、私はクルクルと踊り、声を出さずに唄い(めたくたな歌詞で)、止まらなくなる。私だけではなく、隣のY氏も珍しく体をクルクル、回りのひとみんな踊り、手を上げ、声を挙げ、ステージの彼らもジャンプの高さは低くとも生き生きと演奏し、なんとも楽しい空気に包まれていた。
懐古ムードではなく、今鳴っている音だった。後ろのほうにいたおかげか音響の悪さは気にならず、経年によるキレの悪さよりは歳を経たなりのガツーンと突き進むパワーに圧倒されっぱなし。当時は最先端だった”ロックにハウスやテクノを盛り込んだ”などと冠付くわけですが、「All The Answers」などガリガリな音の向こうにある根本のメロディの良さに泣きそうになる。

そして2曲のアンコールを入れても1時間ほどで終了、早ッと思ったけど、双方の体力を考えるといい按配だったかも。ダレることなく最後までカッコイイバンドでいてくれた。客側も終始ハイテンションで楽しんだ。客電点いても拍手喝采、キーボードのイアンさんが出てきて「また戻ってくるヨ!」とか言ってくれた。彼はライブ中も弾くトコ無いと前へ出てきてベズのように踊って盛り上げてくれるイイヒトだったよ…。
客の平均年齢はたぶん40前後、20代が見事にいなかった。再評価されず仕舞いだったってコトだなあ。。。なんでダローか。89〜90年代初頭のわずか数年の間にリアルタイムで出逢ってハマった人だけが逃れられなくなった音の気がする。

燃え尽きた…ホンット楽しかった…。Jesus Jones大好きだ!
家帰ってもまだ21時ですよ!翌日になっても筋肉痛になってなくてヨカッタヨカッタと思いながら、感想文を書く私なのであった。

*1:でも某氏との記念撮影を見たら、老けたねえというかイギリスのおじーちゃんによくいるよねえって感じだったよ…