shimokita round up 5

「下北沢のライブハウス10店舗で同時開催されるライブを1チケットで回遊する」というイベント。基本的にシモキタな若いギターバンドが中心と思うんだけど、dipがひょっこりと(トリでもなく)参加しておりました。会場はgarden*1dipをあまり知らないヒトたちが多いようなこの場所で演奏されたのは「新曲」ばかり!この選曲に、彼ららしいヒネクレ具合と共に「現在進行形の音」で勝負したい!という前向きな心意気が感じられました。
登場して鳴らした瞬間に立ち上がる不穏な気配。これ!これがdipだなあ。私はこの、見えない聴こえない音を味わいたくて彼らのライブに足を運んでいるのだと再認識する。新曲は昂らずにいられない畳み掛けるギターとベースとドラムが格好良い! SYなフレーズ(不意にあ、って思う)を織り交ぜつつ、どこか切ない印象を残す、らしい曲。楽曲自体に大きな変化や目新しさは正直なところ無い。でも明らかに、違う。”こちらに”向かって、”3人で”、”シッカリと”しているのです。この感覚をうまく言葉にできなくてもどかしい。ただただ荒野をあてどなく走っているんじゃないんだってこと。
この1年、変わってきたなあと感じさせる事の積み重ねが今ここに、如実に表れているのではないかなあ*2。まだ歌詞をつけていない曲もあったけれど、音も含めてこれから演奏を重ねるごとに変化していくのでしょう。嬉しい。
そしてそんな時期にタイミングよく表れ*3、もしかしたら影響を与えたのかもしれないTHE NOVEMBERSのvo. 小林くんが登場し、トリビュート盤で披露した「human flow」を演奏。アレンジは原曲通りで、小林くんは素直で真摯な人*4だなあって伝わってくる音。最後の、ヤマジさんがコーラスに入ったとこで泣けてしまった… こうやって時代を超えて繋がっていくのだなあ。ヤマジさんが込めた思いにファンはそれぞれの思いを重ねていくのだ。こういうことをdipで思うとは、考えたこともなかった。
それからこのイントロは…Television「Days」!!! 軽やかで愛らしい曲に聴こえてくる不思議さよ…。ボーカルで変わるんだなあ。
そして「love to sleepというアルバムから」というMCで弾かれたのは「My sleep stays over you」! オオッ! 素敵すぎる!こばやしくんver.は、なんだかフト、galax 4でのマンチェバージョンを思い出した、何でだろ。リズムは全然そんなことないのに。いつもの重厚怒濤疾風ではなくって、明るい光に満ちあふれて広がるような感覚がどこかで結びついたのかな。
小林くんとの演奏でdipの一面がまた浮かび上がったように思います。イベントだからこそのセッションでした。次回は東京大阪だけでなく、名古屋福岡仙台札幌と少なくとも幾箇所は回ってほしいものです!ライブ見てもらうのが一番伝わると思うんです。
来月はワンマン!そして新譜制作が始まりそうな今の気持ちを感じさせるライブでした。

ワンマンは→日時:2012年12月7日(金) OPEN 18:00/ START 19:00 会場:shibuya WWW です。
12月の金曜日って忘年会のこと多いよねー、渋谷は行きづらいよねーと会社勤めのみなさんはおっしゃるでしょうが…私は予防線を張って望む所存ですッ!是非!!!

*1:改装して広々と見やすくなり、音もクリアな印象

*2:それと、ヤマジさん痩せた!この間のクアトロよりもずっと。頬がしゅっとしてきて昔の面影が…とこんなこと書いてすみません、、、

*3:インタビューだったかで読んだけど、ヤマジさんに可愛がってもらっている姿にモーサムのモモさんが「昔じゃありえねえ」などと言っていたのが面白かった

*4:1曲飛ばして小林くんを呼んでしまったようでしたが、ステージ上で「じゃ、こうしましょう」ってヤマジさんに助言し、去り際に「最後にdipの新曲です、楽しんで帰ってください」と告げてく姿に、なんてしっかりしたいい子なの…とホロリ。