あたらしい街

所用で向かったオフィス街の向こうの道はやけに新しくて、道路に並ぶのは真新しいマンションだったり、家や商店も新しくてやけに奥行きがなかったりする。いかにも拡幅で作られた道だ。斜めに突っ切る導線はあっちとこっちを簡便に結ぶためだ。10年以上前の記憶だとこの辺りは柵に覆われた空き地が点在していた気がする。道路の向こう側へ進むと古い住宅が密集していて(○○荘って感じのとか)、飲食店は閉まっている。ぐるりと回って再びさっきの道路へ戻る。時間と方角がまるで掴めない街だ。時空間が狂ってしまったまま戻らない。