電車は東京を離れ、降り立ったのはベッドタウンな住宅街。駅前は幹線道路が走るだけでなにもなく、十字路を曲がると車道を挟んでアーケードがあり、ちらと覗いてみるとシャッターが閉まった店舗しか見えなかった。バスが通るまっすぐな道を歩き出す。ぽつぽつとコンビニがあり、畑があり、並ぶ家屋からは昭和40〜50年代の雰囲気が感じられるけれど、時折真新しい建売住宅の固まりがあって、その唐突さには長らく空き地だった土地と土地のスキマに建ったかのような印象がある。
当たり屋て…。
「にゃんだい、あれは?」
「侵略者の秘密基地らしいにゃよ?」
…え?!
この国はいったい…。