「乙女ごころ三人姉妹」「パリはわれらのもの」

晴れて気持ちのよい週末だった。ようやく5月がやってきた!


金曜日。神保町で「乙女ごころ三人姉妹」を見た。成瀬巳喜男監督の初トーキー、音の付け方がとてもよかった。哀しくなる物語だし、演技の堅さに違和感があるけれど、ちょっとしたところに愛らしさがあって、浅草の風景(松屋の屋上!川岸に並ぶ家!)が楽しい。そして成瀬監督の作品には最後「成瀬ェェェ!」と声にならない叫びが出てしまうんだよねえ。。。


土曜日は横浜でリヴェットの「パリはわれらのもの」を見ました。念願の、です。日仏で上映したときは英語字幕だったためにさすがに断念しましたが、今回は主催のかたが日本語字幕をつけてくださったのです。ミニシアターの閉館が続き、日本国内で上映されない海外の映画がますます多くなっている状況だけど、このシネクラブは主催の方が自ら字幕をつけ、講演もされている。その情熱たるや!なかなか一般公開されなかった「小さな山のまわりで」もこちらのシネクラブで見たのだった。ほんとうにありがたく思います。昨今、映画事業が「ビジネス」の側面だけで語られることが強くなっているけれど、そんななかで本来のあり方で語る灯火を消してはいけないと思うのです。
パリの迷宮の中、謎は謎のまま、モノクローム魔法にかけられてしまった。女の子・演劇・迷路…リヴェットらしい映画、ってことにつきるのかな。スチール写真で長年見続けたあの、屋根の上を歩くシーンにはぞくっとしてしまった。映画はやっぱり、動くから映画なんだな!にしてもある程度「勉強」も必要な映画というか、理解が深まると思わされた。面白いと興奮は正直なところ出来ず…。「デュエル」も見たかったな。今回は「映画の中の都市」というテーマでの上映、街を描いている映画は特に好き。リヴェットが描くパリも素敵。


日曜日はとあるシンポジウムを聴講したんだけど、納得したりナルホドって思うことが多く、先日行った岐阜や鹿沼を始めとする各都市を思い出した。
帰りに近くにあった評判のお好み焼き屋へ行ったら、馴染みの店のトコのが断然美味しかったヨ・・・

夕焼けがきれいだったのに、暗くなってから雨が降ってきた。