師匠televisionと門下生dipの共演

5月10日の話しで今頃ですが、記します。
television、カッコヨカッタ!熟練した音を聴かせつつも、キリキリしてて色気があって。ヨレてるのにピシッとしてるのだなあ。
ずっと耳でしか知らなかった音が目の前に表出されることへの、驚きと新鮮さと安堵と。ギターって弦が震えて鳴るんだな…と当たり前のことに改めて気付かされた。
途中で中断した曲があって、どうなる?かと思ったらなんと「see no evil」が!今回のツアーでは演奏してないらしいんだけど、急遽馴染みの曲をやってくれた感じ。イントロの瞬間、会場中が沸き上がった!スゴい熱!曲の持つ力と、そこに込められたファンの想いが会場中に満ちてすっごく嬉しかった。
新曲らしき知らない曲もあったけれど、4人が繰り広げるアンサンブルに聴きほれてしまう…。中近東な?曲とか意外性がありつつ魅惑的だったなあ。それとやっぱり「marquee moon」、後半の部分、冷めた熱が徐々に昇っていき、その渦に知らず知らずに巻き込まれていく、このままずっとこの旅を続けていたいと思わずにはいられない。
時折フッとヴェルヴェッツを思い起こし、ヨレてる唄声にデヴィッド・バーンを思い出し、ギターフレーズにディーンさんがよぎり、、、そんなふうにNYのバンドの系譜を思い起こしたりした。


さて、その前に演奏したtelevision門下生dipの、彼らへの敬意と憧憬溢れる音には泣けたヨ…。
1,2曲目はまさかの(やはりの?)新曲で、らしいなあと思いながらMCへ。「televisionと共演なんて感慨深い…」とつぶやき「影響された曲をやります」と言って奏でられたのは「万年青」だった。いつもよりイントロのギターソロが長く、その繊細でたおやかで研ぎすまされた一音一音に長年の想い、、、信念が綴られていて、素晴らしかった。誰もさわれない空が昇華した瞬間を見た。時間は短かったし、すこし固さがあったのは否めないけれど、こんなライブを見ることが出来てファンとして嬉しい。
音は伝承してゆく。


【追記】televisionのリアルタイム世代な方が「この間の三昧で最後にリクエスト読まれた人いるじゃん、あの人のバンドが今日出るdipなんだよ」「えー。そうなの?!」って言ってて、嬉しかったなー。

・ソロライブ公演のときの感想→ 「TOM VERLAINE with JIMMY RIP