北参道出発、新橋経由でポルトガル

朝はあまっこ最終回でした。主人公が亡くなったら世界が終わるようなよくある話しではなく、オオゲサに盛り上げるのでもなく、この先も続いていくという光をさらりと描いているのがナルホドでした。あの話しの作り方はやっぱりドラマだからこそ、そして毎日15分続けて見るからこそだった。小ネタの使い方も気の利いた布石も情報量の多さも15分というコンパクトな時間だからこそイッパイイッパイにならないし、これらの連続性が見ている私たちの毎日に繋がっていく。いろんな世代のオンナノコのアレコレ(憧れ挫折妬みメンドクサさ)を描いているのもヨカッタな、しかもこれまでオトコノコ主軸だったヒトがこういうのを書いたのも感慨深かった。


さて今日は北参道駅から歩き出す。開業は2008年、もう5年経つのだな。でも駅入り口に面する明治通りはがらんとしていて馴染んでいない。この辺りもこれから数年かけて建て替えが盛んになることだろう。
家屋が連なる路地は緩やかに下りながらうねっていて、ツルツル進む。
明治通りに突き当たり、外苑西通りへ折れる。



止まったままの一角はまた動かされることだろう。


このあたりの時間の流れはなんだか不思議。もともと公共交通網が無かったからか、そういう土地特有の「何処でもない」感がある。
そんななかに佇んでいたスターハウスはもう無くて、キラキラゴージャスに生まれ変わっていた。別人になっちゃったな。


通り沿いも店が変わったり変わってなかったり。角を曲がると動物園。



新橋で「おみやげと鉄道」展

外苑前で銀座線に乗って新橋へ。鉄道歴史展示室の企画展「おみやげと鉄道」を見た。
日本独特の「土産文化」をまとめたもので、明治以降の鉄道の延伸と観光地の関連性が伺えて興味深かった。当時の宣伝チラシなどが見れたのが単純に楽しかったナア。ここは無料で小さな会場なのでさらりと見れて良いけど、もっと見たかった。この企画なら風呂敷広げてきちんと展開したら面白いだろうな。今はおみやげ自体がこっちへ来てくれるし(物産展が常設になってるし)、地方色が宣伝文句になる時代だからこそで。せめて東京駅のステーションギャラリーでやればいいのにね。JRさん本気でやってくれないかしら。


ポルトガル、ここに誕生す〜ギマランイス歴史地区」

外へ出るとなんだか曇って来てアヤシイ空。散歩したくなるよな感じじゃないなあ、、、銀座方面もあんまりなあ、、とそうだ、映画を見ようと調べるとまだ見てなかったのがちょうどタイミング良い!
再び銀座線に乗ってイメージフォーラムへ。「ポルトガル、ここに誕生す〜ギマランイス歴史地区」を見た。
アキ・カウリスマキペドロ・コスタビクトル・エリセマノエル・ド・オリヴェイラという錚々たる監督による連作で、ポルトガルの古都ギマランイスを舞台にした作品。
カウリスマキカウリスマキフィンランドだろうがロンドンだろうがポルトガルだろうが相変わらずの演出は、短編により凝縮されると遊びが減るせいか洗練された印象になる。観光都市であるにも関わらずちょっと通りから引っ込んだだけで寂しい雰囲気ってのが哀しい。
ペドロ・コスタはこの人らしくもあり、勝負に出た感じもあり。異質。ズバリと且つハズして向かう切り口が私には面白みにならずハマらず。。。
エリセは柔らかな光、輪郭のきらめきにぐっとくるものの固定で撮られているし、語られる内容が厳しいので受け止めるのが難儀だった。しかし、ひとりひとりが持つ過去の記憶が浮かび上がることにより、冒頭にも登場した食堂の写真が再度ゆっくりとアコーディオンの音色とともに映し出されると意味合いが変わって、ぐっとこちらに迫ってきた。フィクションとノンフィクションのあいだの揺らぎとでもいうような。でもやっぱりエリセには物語を紡いでほしい……。
最後にオリヴェイラ!このおじいちゃんはほんと、凄い。飄々と、ケケケと朗らかにニヤリと笑ってて。
都市を舞台にしたオムニバスはこれまでにもあったけれど、この映画はそれらとは異なっていて、歴史の重みが前面に出ているところがギマランイスならではなのだろう。これを見てこの街を旅したいかとはならないから、観光映画とも違うわけで、そのあたり、プロデューサーの話を知りたいなとも思う。ポルトガルは国の運営が大変な状態になっているけれど、それでもこんな力強い映画を生み出せるのだという宣言ともいえるのかな。文化は即時的に生まれるものではない、とも言えるような。