中村駅の再生と宿毛ぶらり

自転車でへろへろになり、文字通りぶっ倒れるようにホテルで就寝。次の日の朝目が覚めて外を見たら、向こうの山がちょうど朝焼け。
朝食後辺りを散策。よく猫に会う。細身の子が多い。


アーケード商店街があり、その周囲には呑み屋が軒を連ねている。学生が多く行き交い、生活を感じる。氏神様をお参り。境内から街を見下ろす。
再び通りに戻りウロウロ。閉ざされた映画館があった。

手描き看板の跡が残っていて、生々しいほど。

四万十川のほとりへ出る。赤い橋が美しい。水量はかなり少ない。透明な水の底まで見えるくらいだ。
それにしても蒸し暑い…。台風が近づいている気配がある。

中村駅のリノべーション

「四万十」という名称が先行しているけど、2005年に中村市幡多郡西土佐村が合併して誕生したのが「四万十市」。この中心地であり高知県西南部の拠点といえる駅が最寄りの「中村駅」で、商店街のある繁華街からはけっこう離れていた。やっぱり駅は街の外れにつくられたのだなあと実感。この駅にやってきて驚いた。

元々の駅舎を活かしつつ、リノベーションされていた!

待合室は広々と明るくて、ロビーみたい。人がいたので窓側は撮らなかったけれど、窓に面したベンチとテーブルでは学生が勉強していたり、お年寄りがお喋りしていたり。電車を待つ場所というよりは、学校や会社などの目的地と家との間のエアスポット的な場所として、地元の人々が自由につかえる公園のようだった。使用されている木材は地場産業である四万十の檜だそう。不特定多数が使用する場所だからありきたりで替えが利くものを置くのではなく、良い素材で良い空間をつくることで人々に大切に使ってくれるという気持ちが込められているのだ。特に地方都市の駅は寂しい雰囲気が伴いがちですが、やり方ひとつで変えることが出来るのだとしみじみつくづく納得。

帰ってきてから調べたこのサイトを合わせてご紹介。
http://www.g-mark.org/award/describe/36745

宿毛の街で

土佐くろしお鉄道に乗って西へ、宿毛駅で下車。高知県の南西部、愛媛県と境を接する市。「すくも」と読むことすら知らなかった…無知でごめんなさい。
駅前にはいわゆる商店街などはなく、レンタルビデオ店外食チェーン店が並ぶ国道で、車の往来が激しい。この通りを歩き始めたけれど、海が近いはずなのに海のニオイがまるでしない。

と、家屋のスキマに堤防が見え、ん?とそっちに行ってみる、と、海!

よくある国道沿いの風景の向こうに、こんなきれいで穏やかな海が広がっていることに驚く。
しばし眺めて駅方面へ戻り、一駅先の街へ。こちらには商店が並ぶ昔からの街並が残っていた。もともとこちらが中心地だったのかな。さすがに寂しい雰囲気で歩いている人もいない。この一角にあるご飯屋さんへ入る。おっちゃんおばちゃんがやっていて、「いらっしゃい」て声と表情、店内のメニュー表示、ひとつひとつに人の良さが伺えた。今日は台風が近づいていることもあって不漁。お刺身は少なめだけど、鮎の焼き浸しなどおかずてんこもりでお腹いっぱい。常連さんからの予約電話も何本も入っていて、街の人々に愛されていることがよくわかる、いい雰囲気だった。

ここから路地を進むとまるで迷路のように入り組んでいて、方向感覚も時間の感覚もおかしくなる。

広い車道に出ると、見上げる高さに駅!

山と田んぼ、車道に挟まれてすんごいロケーション。。。