ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン

いっやーー、よかった…。ううううと目の前の映像のなかに入り込んだ気分で見てた。
(ドキュメンタリーとはいえ映し出される内容に触れているので、鑑賞予定でサラの状態で望みたい方は読むのをお控えください。すみません)

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ローゼズのドキュメンタリー映画やるって知ってウワアアア!ってなって、監督は「THIS IS ENGLAND」のシェイン・メドウスって知ってオオー!ってなった。「THIS IS ENGLAND」は好きな映画なんだけど監督は熱烈なローゼズ・ファンだそうで。それが吉とでた好例では。
めちゃくちゃファンだからこその目と耳で語られていて、よく聴き込んでいるから曲ごとにこのフレーズのこの瞬間の、「レニドラムのこの入り方は神!」とか「イアンの手元(マラカスじゃなくてベル?鳴らすから)ーーー!」「ジョン・スクワイアのギターソロ、キター!」、「マニのベースライン、カッケー!」と見たいところをキッチリ捉えるカメラの切り方が絶妙なんですよ、もう。
全体的な構成も素晴らしくて、映画監督として「オレオレ」にもならずに作品をつくりあげていて見応えがあった。とはいえ本人ちょいちょいファン丸出しででてくるんですけど。
冒頭のライブシーンでイアンが、身を乗り出す最前列のファンのスマホを手に取って(!)、観客を撮るところがスローモーションで映し出される……。それだけで魔法にかけられてしまう。再結成が決まってからの動きを軸に、結成当時の貴重な映像を盛り込みつつ、ロック・スターである彼らをただ追うのではない。ローゼズを通して、ファンひとりひとりが彼らの音楽を口づざみながら20年強生きてきた日々がぶあっと溢れ出してきた。そしてスクリーンのなかの彼らと私の日々が繋がっているのだ。国籍も言葉もなにもかも異なるのに、「ローゼズが好き」というたったひとつの共通する想いによって。そしてそれは過去を振り返るのではなく、今、なのだ。

再結成後急遽伝えられたウォリントンでのフリーライブ、入場の条件として「ファンである事を証明できるモノ(CD・レコードなど)を持参する」というのがなんとも粋!そして殺到するファンの興奮っぷりがもう!もう!もう!(ちなみにこのライブの日は私の誕生日なので個人的に妙に嬉しかった)私と同年代だろうねえって見た目のヒトたちは、子供を連れていたりスーツ姿や作業着姿だったり。もはやフットワーク軽く行動できないだろうにナントカカントカやってくる、ローゼズグッズを抱えてね。チケを手に入れた人は皆、わあああ!とピョンピョン跳ねたり、ローゼズへの想いをアツく語ったり。体型はちょっとデップリしていたってココロは10代の頃に戻って、キラキラした笑顔を浮かべている。ああ、なんて素敵なんだろう!

イギリスの片田舎の牧場のそばにあるよな煉瓦造りのお家(素敵なの!)で、笑いあって冗談交わしながらリハする姿にもぐっときたなあ。やっぱり仲間なんだなあ。すっかりオッサンである今の姿から若き日のカワイコちゃんぶりが映し出されて、また今の姿に戻って鳴らされる音がまたカッコ良くって!!!
最初のライブでイアンがステージを去るときに「俺達まだカッコイイだろ?」っていうんだけど、うん、こんなこと言えるのってカッコいいなあ。事実ほんと、ライブシーン良かったナア。この4人はバンドとして奇跡な音を鳴らしてるのだな。ちなみに私は彼らのライブを実際に見ていない。。。


今回映画館で上映する機会が出来てほんとうに良かった。全国に少しずつ拡大公開されることも喜ばしいけれど、最初「1週間限定・抽選」と煽ったのは…。なぜに2000円もして(内容がよかったからイイケド)、しかも映画館なのに席も選べなく、映画とライブの中間て位置づけなのかな。。