りんごのうかの少女

忘年会が道玄坂だったので一足早く退出してユーロスペースへ。横浜聡子監督の最新作に滑り込んだ。
公式サイトによると「弘前市役所職員の提案によって『地元ならではの視点で弘前の魅力を伝えることができる映像作品を制作しよう』という主旨のもと、青森県出身の横浜聡子監督を迎えて制作され」たという。横浜監督の作風は好みを選ぶと思うので、この試みに合致するのかな…と思っていた。
冒頭からしてこの監督らしい「人を喰う」演出を見せつけられる。三味線や馬の唐突なワケわからなさはそのまま少年少女による行動に結びつく。ただ各演出の鮮烈な発火点が着実に炎になったかといえばちと疑問。クライマックスのりんご農園の使い方はちと肩すかし、とはいえさすがに配慮によるものだろうか。それと主人公の「反抗的な思春期の少女」を演じるには役者さんが大人びていた印象だけど、イマドキの子はあんな感じなのかなあ。
見たあとに「りんご、食べたいね。弘前行きたいね。」とはとてもならないストーリーであり、耳には「俺は田舎の石油王〜」がこびりつく始末で、助成金を使った映画としていいのだろうかと困惑してしまう。お披露目試写会大丈夫だったのか…な…。
40分ほどの上映時間では「飛び道具」ばかりが目立ってしまうかもしれず、駆け足で進んでしまうのは勿体なかった。もっとじっくり描く時間があれば提示したものが全て結びつき、横浜監督の新境地になったかもしれない。だけど妙に気になっちゃうのがこのヒトの映画なのだなあ。

わー!あの人!!!