2日目:初春の鞍馬山から貴船神社を歩く

2日目の朝!地下鉄烏山線に乗って終点の国際会館駅で下車、同志社付属中高があり住宅と畑が広がるのどかな雰囲気。

5分ほど歩くと叡山電鉄岩倉駅へ。

列車がゆったりとした住宅街を走り、徐々に傾斜がついてカーブを曲がり山の中へ入るときの、ゆるりと世界がスローモーションになる感覚を思い出すと胸がきゅっとなる。

鞍馬駅へ到着。空気はキリリと冷たい!

鞍馬天狗




こんな散策山道をガシガシ歩いていく。寒いと思って着込んできたけど暑くなってきた。

本殿金堂。広々としたここで一息つくこともなく、更に奥へ進んでいく。


緑が深まるごとに空気がピリリと澄んでいく。樹々の種類も様々に鬱蒼と茂り、木漏れ日の光と影が重なり合う。

思わず息を呑んだ。毛細血管のように入り組んだ木の根を踏まないように歩いて杉の木に囲まれた円の真ん中で、大きくゆっくりと深呼吸。
ここが信仰の山、霊山として知られることがよくわかる。







「土地に育つ樹々はコケから一年生の草、多年生の草、低木から高木というように複雑な植生を持って遷移し、最後に適度の湿り気をもった豊かな土壌を持つ森林になり長く安定するようになる最終段階」のことを”極相林”というそうで、鞍馬はまさにそれにあたるのだという。その積み重なった時間に包まれていることが肌に伝わってくる。
鞍馬では山そのものや樹々、集まる鳥など自然すべてが神仏として崇められているそうだ。ゴツゴツとした山道を一歩一歩自らの足で歩きながら大きく空気を吸うことで、私のなかの淀んだものが清浄されてクリアになる感覚がほんとうにあった。霊的な云々という話が好きではないけれど、ここに満ちる透明に澄んだ瑞々しい風と光る緑には、自然への畏敬の念を抱かずにはいられなかった。ここで京都の街の、すなわち日本の変化を、ずうっとずうっと見守っているのだなあ。




木の根や幹がドラマチックで面白い。
山の頂を超え下っていく。




車の音が聞こえてきて、”下界”へ辿り着く。

ここからは貴船神社、水の神様という。貴船川に沿ってうねりながら続く一本の道を上流に向かって歩いていくと、本宮・結社・奧の宮と続いていく。貴船川は川床料理で有名な料亭が並んでいて、神聖さは弱まっているように思えてしまった。



奧の宮で引き返し、川沿いをてくてく歩いた。

こういう何処でもないぽつねんとした風景を歩くのは、旅の醍醐味のひとつ。ふっと、何百年も昔の人々の往来が見えてくる。

そうして貴船口駅へ。たった数時間だけど山を登り下り、けっこう歩いた感はあるけれど疲れてはいなくてむしろここちよい。

さて京都の街中へ戻ろう。


叡山電鉄に乗って一乗寺へ。といえばの恵文社でしばしブックハンティング。それから元田中へ移動してケーキ。もうすっかり午後だけどまだ何も食べてなかったんダヨ。思えば朝食べたパウンドケーキ一切れで一山超えたんだよな……
ここから再び歩く!

団地を発見しつつ、鴨川へ!

飛び石があって渡れるようになっていた。

いい眺め!

正月だもの、凧揚げするよね。

ブルースカイ!
鴨川はのびのびと広がりがあって気持ちよいなあ。
このまま河原をずっと歩いて、四条まで来ちゃいました。

オレンジ色の空の下、大好きな蒸し寿司を食べて夜になった。