要町〜椎名町〜江古田

要町から南へ向けて歩き出す。晴れて気持ち良い日和、猫もちらほら。住宅が連なりながら飲食店もぽつぽつあり、かつては商店街だったんだろうなと思わせる。お気に入りのお菓子屋さんでクッキーなどを買い求め、再び歩く。古い家屋も多いけれどかつては「芸術家の集まるアトリエ村」だったというから、地主さんの文化度が高かったのだろうか。江古田へ移動。駅構内で、界隈の昭和30年頃の写真を集めた企画が行われていた。各写真に「この写真に関する思い出や知っていること」を書けるようになっていて、既に幾つか書き込みがされ、会話がなされていることが良かった。ただ展示するだけではなくて、共有されていくこと。現在の様子も一緒に載せてあることで、並ぶ店も変わったなあと思いきや、この店今もあるよ!とか、電柱の看板は質屋さんで変わってないとか、養老の瀧が当時も今もそのままあることに驚いた。あと、道の奥に見える樹木の茂り具合に年月を感じたり。長年その街で暮らす人がアルバムにしまったままの写真を行政が受け継ぐことが出来るとよいな。地主さんや医者、写真屋さんは特に貴重な写真を所持していそう。そして今住む人がその写真を見て、語り継ぐことが出来るとよいと思う。
食パンを買って、飛ぶ茶壺でひと休み、レコード見て、ああそういえば以前このあたりを歩いたのは春先、3月だったか、砂煙がひどかったなあと思いだしたり、団地と森を通って珈琲豆を買って、帰路についた。ただ歩く、それだけでほんとうに楽しい。