恵比寿映像祭 〜《5windows》恵比寿特別編


いつもスルーしてしまう恵比寿映像祭、今年は5windowsと無言日記に爆音上映も!ということでboid色が濃厚なメンツを楽しみにしてたのでした。相変わらず公式サイトはわざとのようにわかりづらいし、「5windows」の紹介文に一部休映時間の但書があるものの*1。、この作品の性格上「全作品」なのか「5本中どれかひとつのパート」なのかもわからなくて戸惑いました。どの一本だけでも欠けたら、ね。

この作品は「5分の短編×4本」を街に点在する角々で鑑賞し、最後に映画館で「25分の短編」を鑑賞する仕組みが取られています。今回の〈恵比寿編〉では、新作2本を加えた計7本を恵比寿映像祭の会場であるガーデンプレイス内のさまざまな場所で展示しているとのこと。既に何回も見ている既存の作品もやはり回ることにしてみましょう、場所が変われば歩く道も変わり、違う作品になるのです。


【展示場所】
★《5windows》
1. ザ・ガーデンホール 1Fホワイエ&3Fホール(プロジェクションエリア)
2. ガーデンプレイスタワー 1Fホワイエ
3. ガーデンプレイスタワー 38F展望エリア
4.地下1F共用通路
5.ヱビスビール記念館
★《5windows eb》
6. センター広場
★《5windows is》
7. 地下通路
【引用元】http://www.yebizo.com/#pg_off1

初日の夜に新作だけでもどうしても、一刻でも早くそして夜の闇と光の中で見たかったので、会社帰りに向かった。イルミネーションでキラキラした奥に、豪奢なロブションを背にして巨大スクリーンがあった!
★《5windows eb》
ああ!とてもかわいくてとてもキリリとしてて、胸がいっぱいになって締め付けられて、泣きそうになるのをこらえた。初回の黄金町を思い出す。今日もまた街に生き、自転車乗ってハミングしてステップ踏んで、あーーー!なんてすばらしいんだろね。瀬田印なリズムの瑞々しい躍動感ったら!でもマジで寒すぎた・・・のと風邪っぴきなのと、まだ周囲に「祭気分」がなかったので、これだけで帰ってきちゃった。


さて次の日の土曜日の昼間、よく晴れた日。散歩しながら見ようと再び恵比寿へ。もう一度"5windows eb"、明るい光のなかでキラキラ輝いてる。


続いてもうひとつの新作 "5windows is"を見ようと上映場所にアタリをつける。



ん?

ここドコ・・・

外へ出た!

ここは・・・


完全に迷ってるけど、映画なのにこんな緑を見ることが出来るのも「5windows」ならでは。

ホテルのエントランスに出てしまった。

あ!地下通路!
階段を下りると

あったーーーー!


★《5windows is》
通路の3箇所に小さなスクリーンがあり、同じ映像を時間をずらしてループさせてるようだった。まず手前を見ると"5windows eb"とリンクしている部分があって、ナルホドーというツクリだった。で真ん中のスクリーンを見ると、あれ?同じ映像じゃない!!!うおおおおお!そして右目でさっきのスクリーン、左目で真ん中のスクリーンをちらちらと見ながら見てみたり。スクリーンの間がちょっと開きすぎてはいるけれど。そして一番奥のスクリーン。これが驚愕の内容だった!最初にeb見といて正解な面白さ。にしてもコレ、ある意味3D映画だよねえ! この間見た「さらば、愛の言葉よ」を思い出して頷いてしまう。ひゃースゴイ!こういう同時間でミルフィーユ状に重ねられる世界観に痺れる。


さて再び地上へ。


ここからの眺めもよいなあ!

しかしこのロケーションたら。。。(「グランド・ブダペスト・ホテル」の感想にも書いた気がするけど、ここであの作品上映したらピッタリだと思うんだけど)


【1. ザ・ガーデンホール 1Fホワイエ&3Fホール】

事前情報の「1Fホワイエ&3Fホール」って書き方が意味がわからなかったんだけど、、確かに入ってすぐのところに小さなTVサイズの液晶モニターがあり、染谷くんの自転車パートが映し出されている・・。うーん。こんな展示でいいのかしら。。。と3階へ行くと、恵比寿映像祭の本会場ともいえる場所の大きなスクリーンでも上映されていた。けれど、他のいくつかの作品と合わせてなので、時間を合わせないと見ることが出来ない。サイトに表記の「休演時間」の意味合いもやっと飲み込めた。


【2. ガーデンプレイスタワー 1Fホワイエ】
そしてタワー棟へ。エントランスホールに小さなTVサイズの液晶モニターで「5windows」の屋上のパートが流れていた。うーん、、、何故こんなこじんまりと目立たないように・・・うーん。。。


展望フロアに行くエレベーターへ。

このフォント使いが時代を感じさせる。


【3. ガーデンプレイスタワー 38F展望エリア】

38階です。

おお、さすがな眺望!

橋の上のパートだ。黄金町のとき一番最初に見たのがこれで、中村ゆりかちゃんを知った作品。宙に浮かんでいるようにも見える、かな?しかし周りは普通に眺望を楽しむ人たちなので

カオス・・・


再び地上へ。
【4. 地下1F共用通路】
ショッピングエリアの線路沿いの歩道で

午後の光が差し込んで、電車をバックにアチラとコチラ。京急で黄金町にやってくるパートだから、路線が混在して面白い。

センター広場へ戻ろうとしたら

羊がいました・・・(別のイベントの企画みたい)


【5.ヱビスビール記念館
これまでの作品が繋がる、最後に見る作品の上映場所へ行ってみて驚いた。入り口のちっちゃなスペースを区切ってるだけなの!申し訳無さそうに見る感じなの!えええええ?なんでー・・・

エビスビールの創始者?の銅像


黄金町や吉祥寺などを体感しているものとしては、「街のなかにつくられた街」な恵比寿編は、上映する箇所を決めるのに苦慮したのではと思えた。私と街と散歩と映画が有機的に繋がる醍醐味が失われ、正直勿体なさを感じたし、映像がかわいそうに思えた。とはいえ、新作は素晴らしかった。

恵比寿ガーデンプレイスという、ここを「異質」と思えてならない場所のど真ん中に巨大スクリーンを置いて映し出される瀬田なつき監督の映像の、ささやかなでも確かな強度と軽やかさ。この場所へそれぞれの目的を抱えて訪れた人々の背景として流れる映像の、そのカラフルなリズム。ここにいる/いない「誰か」へ送る言葉。忘れてしまう、忘れてしまう?「あとのまつり」から繋がっているまなざし。


翌週、瀬田なつき監督のトークがあったのでまた足を運んだ。監督が仰るには、当初「ガーデンプレイス」という場所にやはり拒否反応があった様子。新作を撮影する場所も許可が限られていてなかなか難しかったとのこと。途中でboidの樋口さんも登場され、地下通路の3つのスクリーンの位置を「離しすぎた」と仰っていたけれど、「人の記憶はいい加減だから上書きされてしまう」といったくだりに、私の中の想いの欠片が繋がったような瞬間があった。
「5windows」は今後も続いていくそうで、新たなプロジェクトもはじまるそう。楽しみです。
この日、鑑賞3回目の「5windows eb」!!! なのに今日が一番ぐっときた。光反射させるあの瞬間、泣きそうになった。
とおくの、みえない、だれかへ、わたしへ、みえますか?

*1:「B&Cプログラム」ってどうゆうこと・・・