シブいぞ中産連ビル

名古屋城の東側、白壁町という名の地域は元々尾張藩の中級武家屋敷が集まり、その後財界人の邸宅が並ぶようになったそうで、その名残が感じられた……のだが暑くてひとつひとつ見て回る気も起きず、目的地に向かってまっしぐら。
大通りから一歩入って、緑の建物が目に入ったとき、息を呑んだ。中産連ビル。坂倉準三設計。




タイルで覆われたこの色味!そして白い窓枠の配置!なんてモダンなのだろう!
角地であるものの、周囲は建物に囲まれていてベストポイントで写真が撮れないのだけど。

パノラマにしてみたけどわかりにくい・・・

普段は会合などで一般使用されており、この日も中に入ることができました。1963年完成のこのビルは、名前から察するとおり中部産業連盟による研修施設で、名古屋財界人からの支援を元に建てられたらしい。高度成長期〜バブル期の建築物が続々建替えされるなか、長年に渡る維持管理はとても難しいことだけど、「ビルとしての品格を保つことを第一に」と守り抜かれてきた話に納得する。耐震改修は外観の美しさを損なわないように配慮されたことが伺えるし、なにより日々の手入れが隅々まで行き届いた美しさにグッとくる。こういう建物に出会えることは嬉しいなあ。いつかここで開催される会議に出席してみたい。
取材された方の記事と小冊子が出版されているので、気になる方は是非。愛いっぱいで素敵ですよ。
https://shibubuilding.themedia.jp/posts/18182
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