東京に(大)雪日記

来るで来るでと何日も前から予報され、震えながら就寝し目が覚めた朝。恐る恐るカーテンを開けたら屋根はまた白くなっていた。しかし路面には積もっていなく、電車も通常通り運行を確認しつつ早めに家を出たところ、スムーズに電車は走行し、30分以上早く会社に到着。コーヒーショップで朝刊を読んだ。
雨っぽくなってきたと思ったのに、仕事中ふと外を見たら随分と吹き付けるように白く舞っていて驚いた。騒がしい社内なのに、雪の降る窓を見ていると無音に感じるのが不思議だった。
このまま降り続けそうな景色だったのに昼には止んた。昼ご飯を食べながら「仕事をしない人たちが多すぎるヨネー」と愚痴りまくり、夕方はふと出た野球談義で、ピッチャーの例えに「村田兆治」を出してしまった自分にビックリした(歳が……)。
仕事終わり、ヤッター!と向かうは移転再オープンの店、久々だから緊張した。新しい扉を開けると、カレーの匂いと新しい匂いがした。焦茶のカウンターの手触り、白い壁。高い天井の隅にはJBLの小さなスピーカ、イラストオブジェ。たくさんの人に愛されて生まれた店なのだなあとしみじみした。頼んだのはいつもの組み合わせで、今まで通りに美味しくて、ちょっとした変化も感じられた。新しく加わったスープがすごく美味しかった。そんなふうに感じたことも伝えたくはあったけれど「美味しかったです」というのが精一杯。
いい気持ちのままレコード屋さんに寄って、坂を下って角を曲がって、いい気分だなーと歩き続けた。また坂を下り、くねくねとした道を進むと大きな道路に出て、渡るとまた坂を下って落ちて行く。


夜の散歩。湿り気残る空気、冷たい風が頬に心地よい。車が行き交い高層マンションが連なる大きい道路にぬっと入り込む路地の唐突さが異世界に誘われるみたいで、「東京」を感じた。こういう道を見つけて歩いていると楽しくて泣きそうになる。歩き始める前にグチグチと頭のなかを巡っていた自分の不甲斐なさとか羨ましがりはまだ拭えないけど、冷却した。
小さな白い小屋に寄った。SNSの影響を受けているから暫し遠ざかっていたけれど、今日は落ち着いた雰囲気のなか休息することが出来たし、店主のこそっと毒入り言葉を聞くことが出来てホッとした。


帰宅途中に「ジーザス・ジョーンズ新作リリース」の報を読み、えっえー!”最後のライブ”を称する来日公演でノリノリで燃え尽きたオレは、オレは……(http://d.hatena.ne.jp/mikk/20110824/p1
と帰宅するなりY氏が「恵比寿のツタヤが閉店だってー」と言うので、恵比寿のツタヤに行くのがオシャレ芸能人のデートだと知らされたのも日本昔ばなしの域だなーと遠い目(というかその手の噂ってどうやって広まったのか今となっては謎)。