夏至の夜


会社を定時で出ると、夏至の夜はまだだった。帰り道が明るくて嬉しい気持ちは明日から少しずつ減ってしまうのだなあ、寂しいなあと帰宅路とは逆方向に歩き始めた。だってまだ今日は終わらないから。・・・それにしても蒸し暑い。この蒸し暑さは、ああそうでしたよねこれが東京の夏ですよね……と1年前のうんざりな日々を呼び起こしたのであった。

ピンクがかってきた。ビルや高架で覆われて、変わりゆく空を目一杯は見れないけれど。
歩くたびに光の色合いが変わっていく。

あ。

歩き始めて小1時間。ああもう暗くなったよ。