The Electric Anniversary Yamaji's 54th Birthday Party

f:id:mikk:20200329161203j:plain
2020年3月25日 Zher the ZOO YOYOGIにて。当日はヤマジさんの54回目!の誕生日で、「電気記念日」でもあることから標題の冠が付いている。刻々と変化するこの1ヶ月の状況下で危ぶまれたものの開催出来たのは、スタッフの方々の尽力ゆえだろう。

現時点(2020年3月23日現在)におきまして、政府、自治体、関係諸機関等から示される正確な情報の収集に努めるとともに、感染拡大の防止に細心の注意を払い、予定通りに公演を実施いたします。(略)新型コロナウイルス感染拡大予防の趣旨をご理解いただき下記ご協力のほどお願い致します。

と、いくつもの注意項目が掲示され、開場前には「万が一の際の連絡先記入」が求められた。スタッフは皆マスクをし、消毒液を使うようにアピール、こんなライブは初めてだった。そういう今を生きているのだと強く思わされた。それにね、ヤマジさん、ステージ上でタバコ吸わなかったの!灰野さんとか禁煙厳守以外で初じゃないかしら・・・(代わりに缶ビールは大だった)



ステージにマスクしたヤマジさん登場、消毒液散布のパフォーマンス。今日は細海魚さんのキーボードと一緒。「(マスクしてても)結構ちゃんと音拾うね」と言いながら、マスクを外した。
1曲めは”blue bus” わー嬉しい!ちょっと久々なこの曲、音像が脳内再生と全く違った。空気の希薄さは失せ、複雑で豊かで、気持ちよく深く深く広がっていく。世界が変動した。ひとりじゃなくて、細海さんとふたりというのも、あるのかな。ああ、一音一音が唯一無二だなあ。

続いて ”I Shall Be Released”、大塚まさじさんによる超訳歌詞は「変わっていくなんて きっとないぜ 君の世界なんて ほど遠い でも俺をこんなに 変えてくれた 昔の友がいるんだ」ってとこでどうしてもベラさんを思い出してしまい、じんとする。ああ、50歳記念ライブでのベラさんが思い浮かぶ。。。そして「ヤツらは楽な方を 取るのさ誰とでも 手をつなぎながら でも 俺は断じて俺の 考え通りに生きるんだ」ってとこに昨今の世の中を想起してしまう。ギターの音色は美しき織物の如く、柔らかい。歌い終わってヤマジさんは「歌詞が今の気分だね」と言った。

「次はみんなが歌える曲を」と中森明菜”スローモーション”、こういう切ないメロディの女性アイドル歌謡曲にヤマジさんの歌声は、ハマるんだよねえ。

最後は「みんな踊ってね」とchemical brothersSetting Sun”、踊れ踊れー!自重しながらも体が動く。中盤のギター、スポットライトがパッと白く光る中に鳴るその音に「希望」を感じて、その響きが胸に迫って泣きそうになった。この曲にそんな感情を抱くなんて!最後の高揚感!このカバー(に限らず)、ルーパー実験な「演奏」感が拭えなかったのだけど、漸く指先に血肉と想いが宿ったと感じた。


休憩後第二部は、モモさん・穴井さん・キュウちゃん加えてバンド編成。
1曲目はミチロウさんの”just like a boy”、優しく丁寧に紡がれる。遠く彼方へ呼びかけるように。
2曲目「高校のときカバーした曲で……誰が歌ってもお前が歌うなと言われるんだけど」と笑ってRCの”多摩蘭坂”、歌い終わるとRCの名曲イントロ(何だったか忘れてしまった)を弾くと、すかさずキュウちゃんが叩くっていうノリが素敵。
3曲目「ここからは今一緒にやってる人の曲を…」と大江さんの”get happy”、とてもポップなメロディだけど「歌詞が大江さんのなかでも陰鬱だけどそこが良い」とヤマジさん。こうやって聴くと、ヤマジさんの作る曲の根底にあるんだなと思わされる。世代的にオンタイムなNWは当時意外とハマってないのだよね、実は。そこがヤマジさんの良さになるのかも。
4曲目 「これもお前が歌うなと言われるけども」と、ヤプーズヒステリア” 。言葉をひとつひとつ置くように唄い、ギターをぎゅいんと鳴らすシームレスさはヤマジさんならでは。
最後にLAPIZ ”pain breaker ” 真骨頂!ドライブするベースライン、グングンひっぱるドラム、動き回るキーボード、その上でのたうち回るギター、最高!


第3部。richard hell and the voidoids ”love comes in spurts”で幕開け、カッコいいなあ!畳み掛けるよにtelevision ”see no evil” うおおおおお! そしてgang of fourI found that essence rare ” このあいだのdipでカバーしたけど、今日はギターに徹しているから殺人度が増している……。マジでこの流れ、死ぬよ・・・。
「次は90年代に入って……」と言って、まさか?とよぎりながら、イントロ、こ、これ、は!!(息を呑む)
mathew sweetの ” girl friend ”・・・・・!!!!!
ぎゃああああああああ。リクエストに応えてくれたあああああ(感動)
ヤマジさんは過去にも何度かリクエストを募っているけれど小心者のため挙げられず、、、しかし今回、どういうわけだか吹っ切れて声を挙げてしまったのですよ、私。

このメンツならば出来るのでは?と思っています。ヤマジさんのRobert Quineばりのギター炸裂を期待しています。

やー!もう!もう!前奏から痺れまくり、これよこれです!と興奮しながら泣いた。モモさんの伸びやかな歌声もすんごく良いし、ぐんぐん連れてってくれるドラムもベースもソロパートあり、皆が映える!Robert Quineを凌駕する「ヤマジギター」炸裂でかっこよすぎた。場内盛り上がって、終わりザクッと決まった途端にヤマジさんが「かっこよかった!」って言ったのはすんごく嬉しかったなー!リクエストしてよかった〜〜〜。またお願いします!


ルースターズfade away”、ストゥージズ”I wanna be your dog ”、再びルースターズCMC”と盛り上がりは加速し続け、も一度ストゥージズで、”TV eye”!ああああ楽しい!! で、終了。


当然アンコールで "louie louie"、当然?イマイアキノブさん登場、この曲なんでこんなに似合うんだろか。そしてヤマジさんの「イマイくん、来るの遅いよ」からの〜 ”I'm waiting for the man”で大団円。クワインさんいるときのルーさんライブver.ぽくて、良かった〜〜〜。
終演時「蛍の光(バイト時代ver. もしくは 新録)」を掛けてくれたら、完璧でした。なんて。(いや、この状況下だともう1回アンコールは無いだろうけど、客電しっかり点かないし、あるのかな?としばし悩んでしまったので。)


バースデイ記念を銘打ったライブは、思えば「50歳記念」以来ではなかろうか。4年前!あのときはヤマジさんがこんな企画(ゲストたくさんのトーク&ライブの3DAYS)を…と驚いたものだけど、その結果が今に繋がっていることを実感する。アンコールで出てくるときにヤマジさんが「ゆりこがさ…」と言ったので、あ!会見でなんか言ったのか!とウゲーッ。結局2日後のウエノさんバースディライブは中止になり、更に状況悪化を辿っている。
世界は不穏に満ちているけれど、どこかであのギターが鳴り続けているのだと思えることは希望であり、光を感じたライブだった。