TVK「ライブ帝国 ザ・ファイナル」

4月1日に開局50年を迎えたことを記念して、tvkの音楽ライブ番組『ヤングインパルス』 『ファイティング80’』『ライブトマト』 『ライブY』の秘蔵VTRからリクエストを募り、第1部 昼2:00-5:55、第2部 夜7:00-9:50とボリューム大の番組が放送された。


TVKとは神奈川県におけるテレビ放送局。なぜか?音楽に力を入れていて、中高時代に洋楽リクエスト番組「ファンキートマト」、邦楽ミュージシャンをゲストにした「ミュージックトマト」、ひたすらPVが流れる「SONY MUSIC TV」、そしてライブ収録の「ライブトマト」を見ていた。CATVとも思ったけど、全ての番組が視聴可能だった記憶がないので、あやふやでスミマセン。

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ライブトマトは憧れで、いつか見に行きたい!と思っていたけれどこのライブはとりわけ行ってみたかった。ネットに上がっている時代ですよ…。場所の「十日市場」って何処?と思った記憶。今Googleマップで見ると、うん、行けなくもない。
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グラスバレー松岡英明がかからなかったのは悲しいわ〜〜。


この長丁場、とりあえず録画したものの体調不良で寝てたこともあり、オンタイムで全編もれなく見た。
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RC、アナーキーシーナ&ロケッツthe mods、A.R.Bと80年代頭のバンドが続く。世代的に古いと思ってほぼスルーしてきたバンドたちだけど、最近ヤマジさんのセッションで聴く機会が増えたこともあり、今聴くと「ヤマジ味」を感じてしまう。ヤマジさんが聴いて育って蓄積し血肉になったフレーズを感じ、憧れていたミュージシャンと今同じステージで演奏してることに驚かされる。あと、子供ばんど!うじきさんはカルトQ世代のため音楽活動時代は全く知らず。楽しそうにギターを弾きまくる姿が印象的で、この間のヤマジさんが参加したqueでの緊急ライブで飛び入りしたうじきさんは「ヤマジさんのyoutube見て機材を買った」話をしていたという話に納得した。


高校の時にヤマジさんを知って以来、勝手にUKバンドからの影響を感じてたけど、ルースターズを始めとする邦楽バンドの影響がかなり強いことを理解するようになった。オンタイムでエコバニではなくルースターズ経由だったのか的な。そういや今放送でルースターズはかからなかったな。許可されなかったのかな。


dip the flag時代の髪型もUKのゴスバンドの影響だと思ってたのに、「スライダースの蘭丸」からだと知って驚いたりもした。THE STREET SLIDERSの影響も大きいんだなと今回の放送でかかった曲を見てわかった。後半のギターワークなんてdipじゃんか!みたいな笑 


更に驚いたのは初期RCのフォークな曲「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」で、私はRCもほとんど聴いてないのでこんな楽曲もあったんだ!とびっくりしたけど、その音色はヤマソロに通じ、キヨシローのお姿も前髪ありのマッシュめ髪型と切長の目が相まって、あれ?キヨシローとヤマジさんって似てる?!ということだった。


そんなことにキャッキャしてたら五輪真弓「少女」がかかって、何このタイミング!と震えた。ヤマジさんがスンバラしいカバーを披露しているから。
この放送ヤマジさん見てないかなあ、見ながらギター弾いて欲しいなあ…とまあ、冒頭からキモいファンっぷりが発動しまくる次第でスミマセンねえ…


THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは素晴らしかった!毎度ライブ映像見るたびにどれも生き急いでる熱量が溢れてて、ほんとすごい。私はオンタイムで知りながら、当時はUK USバンドに夢中だったし、新しい邦楽バンドはもう下の世代間があってスーツ着ててスカしてるわねなどと思って深く聞こうとしなかったのだけど、ちゃんと聴いてたらハマったはずなのにね。それと BLANKEY JET CITYは時代を感じるところはあるけど、このテンションと楽曲のクールさが格が違っていてかっこよかった。


そして遂に!ソフトバレエ嬉しい!デビュー直後のBODY TO BODY。キラキラ。森岡さんに泣くけどギターがベラさんだったようで、うう。90年の映像ということで私はソフトバレエ聴きつつフリッパーズ聴いてた高校時代を思い出すのだった。


Original Love「夜をぶっとばせ 」がかかってキャー!貴男さんかっこいいいいい。続いてはまさか?と思ったら、高野寛「虹の都へ」で、じゃーこの後こそミズノのスキーウェアCM繋がりで〜〜!と念を送るもかからず、後でL⇔Rがかかったけどタカコ脱退後の映像だったし、結局フリッパーズはかからなかった。


80年代のバンドを見てると、歌や演奏力が高く、明るく楽しそうな気持ちが溢れていた。その後 オリジナルラブフィッシュマンズの演奏に時代の空気の変化を明らかに感じた。クールに徹しているというか佇まいが全然違う。Y氏が「元になる音楽の参照と歴史が違うからじゃない?」と言って納得。そういう意味でもあの頃がやっぱり分水嶺なんだろうな。90年あたりのバンド、幾つも出たけど個人的に古臭いと思うものも多く、この時にフリッパーズがやっていたことを思うと、やっぱりすごいな!と再認識するし、それを印象付けた小山田くんの不在を悲しく思う。


ダウン・タウン・ブギウギ・バンド「スモーキン・ブギ」のカッコよさに痺れたり、JOHNNY,LOUIS&CHARの貫禄ある演奏っぷりはジミヘンか!な凄みがあり、今では大御所な彼らの若かりし演奏をテレビで見ることが出来たのは嬉しい。今をときめく松原みきにもさすが映像あるのねとびっくりしたけど、放送を許可しなかった方々もいるんだろうなあと思ったりもする。


とにかく時代を前後してガンガンかかる構成の中改めて思うのは、私の好みの偏りっぷりで、ダメなのはホントダメで昔も今も変わらないってことだ。くるりは実のところあんまり知らないんだけど初期曲の「虹」がすごく好みの曲だと今更ながら知った。今までごめんよ……。全体の選曲は大御所に行きすぎず偏りすぎず、このバンドも?的なのもあったりで、TVKスタッフの感覚の良さに拍手する。


演奏と共にちらりと映る観客の変化も興味深かった。80年あたりは歌謡曲ショーというかビートルズの古い映像と共通の雰囲気を感じたのだけど、後半になるとスタジアム級な広い場所になったり、コレクターズでは60‘sな女子がいっぱいだったり、ゴーステは男の子でいっぱいでダイブしまくりだったり。服装で言えばステージ上のミュージシャンも、80年代は謎のステージ衣装的な人たちも多かったけど、90年代中盤になるとTシャツが増え、トライセラトップスの古着Tシャツ(ゴーストバスターズ!)にダボダボジーンズ(きっと古着で高い)が懐かしかった(そういや、和田唱さんはめちゃめちゃ細くて、あのお母さんの食事で育ってよく細身でいられたなあと変なコトを思った)。ライブで最前列に陣取っていた方々は今も最前列にいるのかもと我が身を振り返ったりもした・・・(汗)(余談:CMが通販の老眼鏡とか葬儀屋ばかりだったのでターゲット決め打ち感たっぷり)


それにしてもTVKの音楽番組は貴重なアーカイブであり、これからも保存をしっかり&活用してほしいと切に願います。ネットで上がっているものも多々あるけれど、テレビで不意に見ることが出来る楽しさと嬉しさをオールドスクールの私は思うのです。