4月の終わり、5月の初め

4月3日(月) Virginia Astley「some small hope」はデヴィッド・シルヴィアンきっかけで聴いた。中学生の頃だった。この曲は私にとって、意識的に音楽を聴くことを更に推し進めたと改めて思う。今もふと、この曲のイントロが頭に鳴り響くことがある。そして雪が積もった朝このアルバムを聴きながら高校までの道を歩いたなとか、実家でドデカホーンで聴いている光景を思い出すのだ。他にもこういった記憶を持つ盤はあるけれど、このアルバムの持つその力は特に鮮明で、「彼」がVirginia Astleyの魅力を引き出し、それに10代の私が呼応したのだろう。

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4月4日(火) Y氏が夕飯に桜海老ボイルを買ってきて、「ひとり100円ちょっとで春を味わえるなんてお得だよねえ」と言うので「確かに!」美味しかった。



4月5日(水) 歓送迎会課内と係内の2回開催のお知らせにガックリ。「やらなくても問題ないねー」って再考はしないよなー。「やらなきゃいけない」病か。仕事だから頑張るよ・・・ / とヨロヨロな気持ちで外へ出ると、新入社員の群れが狭い歩道を占拠し、喋りながらの牛歩で詰まってしまい、前へ進めない。イラっとしながらも無の表情で隙間を縫うように高速ですり抜けて駅へ辿り着く。



4月6日(木) 朝目が覚めた時から頭の奥がふあふあしていて、駅前の道も足取りが重い。会社ではいつも通りによく喋るけれど、トイレに行く廊下が長い。そんな1日だった。



4月7日(金) 春の嵐。朝やはりぼーっとしていたものの会社で血が巡る。今までならばめまいや頭痛胃痛がひどかっただろうから改善してきたのかな。/馴染みのカウンターのみの店、2人の女性が会社の愚痴大会、大声で喋り時に机を叩きながら食べている。ここのごはんはとっても美味しいからきちんと味わってほしいなあ。音楽のセレクトも良いんだよ。愚痴ならここでしなくてもいいのにね。こういう光景に、ああ戻ったんだなあと小さな溜息。

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Vivian Trimbleの訃報。ルシャスもいいけどkostarsが大好きって人けっこういるんじゃないかなあと思う。私もそう。黄色のこのジャケが憧れだった。



4月8日(土) 今日も天気が不安定な予報、早めに出掛けて恵比寿 写真美術館にて「土門拳の古寺巡礼」へ。パネルプリントで鮮明。今更あらためて思うのは、土門拳の眼力によって陽の目を見る仏像の細部の美しさで、時間をかけて映し出してくださりありがとうございますと南無阿弥陀仏を唱えてしまう。写真ファンよりは仏像ファンが多かった気がする。
東京都写真美術館

フィリッパ・トジャル「つぼ庭」、出身がポルトガルとは瞬時にわからない渋味ある緑が主体の色彩は、東京藝大の大学院で学んだことで出逢った顔料を使用。山の景色と心象風景が重なったストイックさを感じつつも、愛らしさもあった。会場のnidi galleyは今回の展示を最後にクローズドし、今後は様々な場所で展示を開催するのだそう。長年通って、素晴らしい作品に出逢わせていただいた感謝をオーナーさんにお伝えできて良かった。
nidigallery.com



4月9日(日) 久々にY氏と外出、お昼ご飯がやはり難儀で、よく行ってた店なのに今の私には半分でギブアップ。/ 腹ごなしに歩く。街角を木工薔薇と藤が鮮やかに彩る。4月上旬て早いよねえ。/ 休憩に入った喫茶店はちょうど満席で、お喋りがうるさかった。飲食店で喋る声が過度に大きく立って聞こえるのは一人客がメインの静かな店内に慣れてしまったからだろうか。私には周囲の歯止めが効かない印象を受けてしまう。飲食店も服装と一緒で、TPOがある。この店はお喋り用、この店は静かに過ごす用、というような。店側が制限をするとネットで悪く書かれてしまうこともおかしい。



4月10日(月) 昨晩だるいと思って「測りなさい」と言われて体温計37.1°で即寝て。朝は体温は平熱だけどちょっと怠く昼休みも半分寝てからの、呑み会。お酒飲まない私に「食べて食べて」と勧められ、仕方がなく食べたくないペラペラの刺身をいくつも食べざるを得ず、結果気持ち悪いのであった。明日だと角が立つから明後日休みたい。



4月11日(火) 朝同僚からメール「体調はどうですか?私は今朝具合が悪いので休みます」・・・ええ!昨日私に「この頃体調悪いみたいだから無理しないでね」って言ってたのにーーー!!(怒) / というわけで今日は人の分仕事をし、その分だけ嫌な思いになりながら世知辛い東京砂漠を彷徨った1日であった。/ 「スコラ」再放送、まだ生々しくて、2007年にはこんなに元気でもったりした体つきなのに!などと考えてしまう。テレビという媒体の記録性を感じる。/ その後父に電話「新作を来月出す準備しててね、やってみなきゃわからないからやるだけやってみるよ、今までと同じことしててもつまらないからね」会社のアイツらたちに聞かせてやりたい。/ そんなこんなで情緒不安定で泣いてしまった。



4月12日(水) このところのキィーーーー!!!を解消するべく、午後休みにした(してやった)。ツツジが咲き、緑が萌ゆる今日の空気は重く、梅雨の前のようだった。早いよ!



4月13日(木) 黄砂がひどいというので今日はお昼に外に出なかった。/ 人の仕事をやる羽目になり頑張ったからご褒美くれ!と思ってたら、駅のホームにかっこいいレア車両来たからホクホク出来た。



4月14日(金) 馴染みの店、グッとお客さんが増えた。



4月15日(土) 朝からずっと雨の1日。頭がボーッとする。Y氏と出掛けて土偶展示を見る。



4月16日(日) 地下鉄の駅から地上にへ出ると光が強く、街路樹が美しかった。町工場と会社と住宅が入り混じる街並みを進み、古本屋で今日はインドのポストカードを買った。その先のギャラリーへ向かい鑑賞後外へ出るとどんより暗くなっていて、細い坂道を歩き始めると大粒の雨がボタっと落ちてきた。日傘が雨傘となり、近くの本屋に着く直前でボタボタボタと降ってきたのは雹だった。落ちる瞬間そのものを目の当たりにした。驚きながら本屋に入ったところで雷。土砂降りの雨音を背中にしばし店内で本を見ていたら止んだ。外に出ると濡れた路面が輝き、頭上に入道雲手前な雲が見えた。/ 江戸川橋から神楽坂経由で新宿駅迄歩いた。ごちゃごちゃした道に坂道、貫かれた新しい道路、目まぐるしく変わる天気同様の変化を見せる街並みは発見も多く楽しかった。
makifinearts.com
自由だ、と思った。絵画であり彫刻であり姿を変える様にワクワクした。



4月17日(月) 駅前にいる最大政党の候補者、いってらっしゃい!気をつけて!勉強頑張って!を繰り返すヤバい人にしか思えない。/ 数週間前から背中や首が痒くなり、範囲と程度がひどくなってきたのでさすがに皮膚科にいくことに。会社近くの医者、今まで行ったことあるどの医者よりも説明がわかりやすくてコレだよ!って気持ちに。



4月18日(火) 様々な方向からやってくる事象に備えて自分の余裕をつくることが肝心だなと改めて気付かされた。自分のことだけでヒーヒー言ってる歳ではないのだ。



4月19日(水) 眠い。痒い。/ 電車内で化粧する人久しぶりにみた。こういう人が通勤に戻ってきたってことかな……



4月20日(木) 時間休して六本木から西麻布のギャラリー〜恵比寿まで歩いた。/ GALLERY SIDE2にてムラタ有子 「lonely spring」 変わらずの寂しくて柔らかな色合いにしばしぼーっとした。/ 西麻布からの道なりは坂が多くて豪邸も多くて楽しい。広尾ガーデンヒルズの樹木の時を重ねた美しさ。/ 恵比寿駅前のテーラーコバヤシが解体されてたことに衝撃を受けたり。そして夜はRIDE!感想は別途!
www.galleryside2.net


4月21日(金) 夜ご飯に行った店はお一人で営業されていて、客も女性ひとりばかりの小さなところなんだけど、2人の女性+子供1人が大量な品数を注文したために大変な状況になり、飲み物+2品しか頼んでいない私も相当のんびり待ったのであった。私なんていつも少額で申し訳ないんだけど、、


4月22日(土) 久しぶりに映画を午前中に見て、喫茶店行って、レコード見て、14時半。それだけで随分疲弊してしまい帰宅。人疲れもあるのかな。/ 「午前4時にパリの夜は明ける」ミカエル・アースの最新作はシャルロット・ゲンズブール主演、共演にエマニュエル・ベアール! 「満月の夜」が引用され、「冬の旅」如く路上生活する若い女の子はパスカル・オジェのような姿だし、随所にフランス映画の系譜を配置。まるで90年代前半のファッション誌のカルチャー欄を見ているようだった。旧作ではblueboyやpale saintsが流れたけれど、今作ではなんどジョンカニくん!まさかスクリーンから聴く日が来るなんて・・・ジョンカニくんが使われた映画として後世に残る、かもしれない……(あとゴービトにheavenlyにpale fountainsにdurutticolumnにtelevisionに、、、音楽の趣味が合いすぎる)話としてはすんなり流れ過ぎな印象あるけど、複雑な生活環境の女の子を諭すシャルロットという光景に時の流れを感じつつ、煙草の吸い方が相変わらず絵になるなあ。



4月23日(日) 肌寒い朝。季節がよくわからない4月後半、ライラックを買いました。水溶の君をながめて咲き乱れるよ。


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4月24日(月) チバの病気静養ニュースに愕然。/ きょうの料理、スリーティアーズのスコーン!手つき見ながら難し過ぎて、私がつくるもんじゃないなと悟った。



4月25日(火) 昼から猛烈に頭痛くてクーラーで冷えたせいかと思ったら、帰宅後更に増してきて、どうも明日の悪天候による気圧急降下が起因のようだ。



4月26日(水) テレビ番組でのスコーン特集、紹介された店は有名店で私も何度も食べてる好きなところだけど、製法により違いがあるのがスコーンの奥深さで、「自分はどういう味わいが好きか」みつける楽しさがあるってことが伝わってほしいなあ(スコーンに限らずだけど)それと、スコーン好きは「女性9:男性1」ってどこ調べだよ?って話で、その1割の男性がY氏になるけど好みに性別って関係ないし、番組司会者が「あの方」だからこそ、性別で判断する安易なことをしなくてもいいのにね。



4月27日(木) 会社休みにして午前中に東京都美術館アンリ・マティス展」へ。見ると顔が綻んでしまう。/ パンクでパワーポップな店でうどん食べて、喫茶店へ。本屋に寄ってから医者。よく晴れて緑が輝く1日だった。



4月28日(金) 会社帰りに馴染みの店でご飯。坂本慎太郎がかかっていたので店主に言うと、隣席の60代オバサマに「何歳くらいの歌手なの?」と聞かれ「50歳過ぎですかね」と答えると「福山雅治と同じ位かしら」と返され、想像範囲外の比較対象に内心驚く。調べるとシンタロ55歳、フクヤマ54歳……/ その後アーユルヴェーダのお話を聴講。「点ではなく線で心身の変化を捉えその波に乗ること」「寝る前に楽しかったことを思い出す」「マクロとミクロで自分見る、自分を褒める」「落ち込むのではなく次に活かす」備忘録として書き留める。



4月29日(土) 晴れたが風が強いのであまり歩かない方が良さそうと思いつつ、結果的に12キロ。カレー食べたりギャラリー行ったり。



4月30日(日) 昨夜から強い雨風、朝も続くも昼前には止み外出。4、5年ぶりくらいに友人と会う。普段はメールでやり取りしててその沿線上で話すけれど、生存を確かめ合う。新宿だったので東西通路に連れてったら大層驚いていた。



5月1日(月) 仕事とか手続きとか、スムーズに行くことってないのね。



5月2日(火) 先方の「演技」に過剰反応しない精神力を持ちたい・・・