11月の終わり、12月の初め

遂に「12月」と書いてしまった!


ゴーストワールドリバイバル上映、観たいと思いつつ今抽斗開けなくてもいいかという気持ち。新たな気づきはあるかもだけど、更新したくない感覚がある。公開時見て心の灯火になったこの映画を、「ジュノ」を見たときに思い出してたら早稲田松竹二本立で再見、それすら15年前!この数年で諸々変わりすぎてバス停は向こう岸の、懐かしい思い出の幻・・・。

お金と時間と気持ちの余裕は歳とともにどんどん無くなる……ポジティブに行きたいけど食べ物は勿論、文化作品の消化力も弱っているので量控えめに一回一回を大切にしたい、となるとこれまで如何に審美眼を養ってきたかが問われるわけで…考える力も劣ってるから選択能力も……



11月3日(金祝) 京都旅1日目。記録は別途。



11月4日(土) 京都旅2日目。記録は別途。



11月5日(日) 日曜日という気がしない。とにかく今日1日でコーネリライブ記録を書き上げる!と気合を入れた1日。



11月6日(月) 会社1週間くらい休んだ気分でいっぱい。だけど仕事はたんまり積もってこなしまくった。/ 会社会議室昼ごはん、何キッカケかわかんないけど時効警察の話をしてて、「ピーポくんの偽物みたいなキャラいたよねー」と同僚が話してるんだけど、「それはそーぶくんで、ウチに人形あるよ」とは絶対言わないよ……



11月7日(火) 数ヶ月ぶりに会社近くのコーヒースタンドに行くと注文時に「最近どこか行きました?」と店主に話しかけられたので(音楽好きの店主だしいいかな?と)「京都でコーネリアス見に行ったんですよ」と答えると「ああ…」くらいな返答だったので、30代半ばくらいだとそんな反応か・・・と話題は終了。店主は先客の同じ世代と思われる男性と再び話し始め、かけていたレコードが止まったので「さっき話してたのこれなんだけど」と言いながら次にかけた7インチが日本人ボーカルで、ハテ?誰だ?・・・次第に「この・・・声?まさか?」の小沢健二さんで、どうやら新曲のようだった。私は新曲情報を知らないくらいにおざっさんの情報収集はしてないし、球体の頃なメロディには「無反応」なんだけど、店内BGMが50-70年代ブルース〜SSWメインの店主が10代の頃を想像する。コーネリアスには無反応も踏まえて、世代感覚が垣間見れる。フリッパーズがデビューした頃生まれたんだろうなあ(遠い目)



11月8日(水) 半袖の人もいるけど立冬である。そしてY氏お誕生日。「今後やり遂げたいことは?」と質問すると「レコードと本を売るかな、ガレージで」と言うので「それって、ブシェミですがな!(ゴーストワールドね)



11月9日(木) 休みの日。①10時過ぎに近美「棟方志功展」に行くと大混雑で、ああそうか客年齢層高いから…。夜間開館の金曜の方がよかったかなあ(でも1800円もするから2度はキツイ)ともあれ、作品と対峙できて発見も多く良かった。時代が良かったんだろうけど柳宗理から商品パッケージにドラマまで、幅広く使われて晩年まで。すごい人だなあ。 ②コレクション展も毎回素晴らしいけど今回は東山魁夷のデザイン性が胸に沁みた。③「女性と抽象」も今敢えての良き企画。
東京国立近代美術館

→ 湯島に移動し④国立近現代建築資料館。先週見たばかりの京都国際会館大谷幸夫の図面が記憶の建物とリンクするのは感激するし、落選した大高正人菊竹清訓の図面にあり得た景色を想像する。
文化庁国立近現代建築資料館 [NAMA] 10周年記念アーカイブズ特別展 日本の近現代建築家たち | 文化庁 国立近現代建築資料館

→  神谷町へ移動。遂に再開発プロジェクトが完成し脳内地図が破壊した。狸穴坂を下って⑤Take Ninagawaにてデレク・ジャーマン展。この感覚ももはや歴史だな。
デレク・ジャーマン | Take Ninagawa

→ 恵比寿へ移動。⑥東京都写真美術館にて「即興 ホンマタカシ展」。日本の美術館では10年ぶりの個展というけど、ギャラリーでちょこちょこ見てるのでそんな気がしない。しかしこの規模での展示は見せ方にも気合が入っているし、勿論作品自体もものすごく挑戦的。建物の一部だけが写っていても「広島平和記念資料館だ」などと認識できる意味でも「建築写真」と言えるし、富士山もぼんやりでも「富士山だ」と認識できるし、それにより「都市」が浮かび上がってくる。
東京都写真美術館



11月10日(金) 会社帰りいつものご飯屋さんに行き、京都国際会館についてアツく語る。



11月11日(土) いきなり冬がやって来た。「walk out」じゃなくて「jump」だね(アズテック季語)/ 遂にキノコ鍋発動。法蓮草で。



11月12日(日) 今日もすこぶる寒いが結婚記念日なのでY氏とお昼ご飯を食べにお気に入りの店へ。「真鯛のやさしい煮込み」なんて名前のお料理、こんな日にぴったりだ。遊歩道沿いを歩くとオレンジ混じりの樹々に弱く光が差している。1時間ほど歩いてコーヒー飲んで休憩。こんな日々をいつまでも大切にしたいです。



11月13日(月) 朝からフルスロットルで仕事。疲れた。今年のwalk out to winterはイントロがトロピカルアレンジで超絶長すぎて、一体いつロディーの歌声が?と待ってたのに歌わずいきなり終わってしまった・・・



11月14日(火) 朝はプレーンベーグル食べきれず。昼はスープジャー250cc(白菜人参ツナ)とご飯150g、おやつはルマンド1本、夜はお味噌汁(油揚えのき蓮根)とご飯150gでお腹いっぱい・・・なのでもう少し食べられるようになりたい。テレビで大食いとか大盛りなんてのをよく放送するけど、少食の悩みの人もなんとかしてほしい・・・



11月15日(水) 帰り間際に「正の字でカウント」的業務をやらされて、側から見たら、【DX支援システム会社のCMに出てくる「怒りながら仕事する人」】になってたハズ・・・



11月16日(木) 仕事相手先の対応が酷すぎるのでそろそろ・・・とマジで思うしそろそろ楽しいことをここに書きたい・・・



11月17日(金) 大雨予報で頭痛の朝だけど、通勤時は雨にあたらなかった。終日喋りっぱなしの業務だったので静かに過ごしたくて、そういう気分の時に行く喫茶店で紅茶飲みながらクールダウン。帰りにGoatの新譜レコ買う。
liverary-mag.com



11月18日(土) 中目黒デッサンにて 横山雄「得体の知れない人たち」線の美しさ。それは日々向かい合い格闘された果てに辿り着いた、削ぎ落とされた線。背中を見せて屹立する線を見ていたら泣きそうになった。今年始めだったか「弱く輝く人たち2」で見た、悩み迷う弱々しい鉛筆の線の重なりも素晴らしかったな。誠実な線だから、こちらの胸に刺さるのだろう。
横山雄「得体の知れない人たち」 絵本 画集 写真集 | dessin | 中目黒 | 古書古本の販売と買取

ブリッツ・ギャラリーでは「鋤田 正義 / スティーブ・シャピロ写真展」 デビッド・ボウイを中心とした華麗でクールで美しい写真に吸い込まれる。別格。「LOW」などお馴染みのジャケのプリントも嬉しい。
SUKITA X SCHAPIRO PHOTOGRAPHS




11月19日(日) 15時半〜三軒茶屋フジヤマ前路上で(!)西脇一弘+山際英樹 フリーライブ!!、やーもう最高。冷たいギターが刺さる青空は夕暮れに向かい彩度を失っていき、バスが通り過ぎたり犬が鳴く周りの音に重なってく。西脇さんは西脇さんの、山極さんは山極さんの、ギターが鳴っている。



11月20日(月) 縦割仕事のアホさ加減にグッタリだ。/ しんどいときにつくるレシピ、という記事を見て、そういうときはつくらなくてもいいんじゃない?と夏木マリに言ってもらえる世の中であってほしいけど、その人ごとに状況は違うから作らなきゃいけないことも想像する。/ 縦割仕事もその部署の人にとっては当たり前のことで、タコツボにギュウギュウで想像力を削がれている。



11月21日(火) 職場にて、おかしいと思うことをハッキリ言っている。こいつウザーいと思われていることだろう。今までそれで回ってきたからいいんじゃん?ていうのは誰かが苦労してるから回っているんだよ。



11月22日(水) 会社帰り、特別夜営業の喫茶店へ。開店直後、暗がりに灯る店内はいつもと雰囲気が違い、音楽も相まって、アキカウリマスキの映画みたいだった。



11月23日(木) 昨日の記録は今書いたのだけど、というのも帰宅直後に頭痛が始まり、それもかなり強いのは久し振りで何もできなくなってしまった。夜中も何度も目が覚めて悶絶し、朝になってようやく落ち着きつつあった。そんな始まりだったので今日1日ぼんやりしてしまい、近所を散歩すると陽光に照らされて樹木の葉の端っこが黄金色に輝いているのを見上げていた。



11月24日(金) アンガーマネジメントってわたしぜったい無理。



11月25日(土) 元気でない。昼もちゃんとご飯食べる気しなくて、時折行く店にて小さなパンのオープンサンド。でも静かな店なので良い時間を過ごせた。ようやく歩きやすい気候になって、目に映る樹木の葉の色の変化を愛で、おでこにあたる風のひいやりさにシャキッとし、6キロほど歩く。/ 父から書類が届いて手続きなんとかなりそうで少しホッとした。



11月26日(日) 美容院を済ませて喫茶店に行くと別行動のY氏と鉢合わせ。何度目……。うちから徒歩20分強の休日でないと行かない街で、お互いこっち方面に行くと言ってないし偶然この結果に。本を読んでいたY氏の後ろの席に座り、私も本を読みながら視線を上げると背中がある不思議さよ。そして先にY氏が店を出た。また後でね。



11月27日(月) 昨日オシャレインテリアショップでお高いラグや食器を買い求める人を見て、まあこれも買った自分が愛して使うだけでいいんだよね、その後継承しなくてもとも思う。だから自分で処分をしとこうね・・・と今は亡き母に思う。(と我が家に積まれたレコードCD書籍を眺めるのである)(ユニオンとバリューブックスは生前お約束サービス始めると良いのでは・・・)/ イルプルの弓田亨さん亡くなったと知る。でも技術は伝承されて味は生き続けるのだなあ。イルプル出身のひとのケーキってわかるもの。



11月28日(火) 実家関連の書類提出前相談。作成書類は⚪︎で良かったけど某市に渡された書類が違うことが判明、ぐぬぅぅぅ



11月29日(水) 会社では吠えていないといけない病気になってしまったよね。



11月30日(木) 忘年会はやらないが新年会はやると言われ動揺……これも仕事だからね……。帰り道はぐっと冷えた空気。明日から実家ツアー。


以下後日記述。
12月1日(金) 実家ダブルヘッダーツアー初日。Y氏方の金沢へ。何枚も重ねたものの雨で寒い。本日は2人で観光、といっても兼六園ではなく、金沢工業大学へ。先日見学した京都国際会館を手掛けた大谷幸夫により、その3年後に竣工されている。素晴らしかった!ときめいた。空間づかいは京都国際会館を経たものだとよくわかる。

金沢工業大学本館」(現・金沢工業大学1号館)は扇が丘キャンパス北校地で1969年に竣工しました。設計者は大谷幸夫です。大谷は学園という人間形成の場に何を提案すべきかを考えました。人間形成は教室というフォーマルなもののみでは十分でなく、教員と学生、学生相互のインフォーマルな接触によって育まれるものも重視した大谷は、学園を構成する3者、学生、教員、事務職員によるインフォーマルな人間相互の接触が誘発される空間として可能な限り大きな広場を建築内部につくりだすことを提案しました。本計画では教室棟、研究棟、事務棟という3者の空間を独立的に設置し3者の自律性を実現しながら、一体的な交わりも強く求めました。「建設中に安田講堂占拠があったように大学紛争が続いていた時期ゆえに、この決断は大きかった」(『国際建築』1967年6月号)と大谷は述べています。
*太字は私による強調です
www.kanazawa-it.ac.jp



12月2日(土) 夫の親族が話してるのをただ聞いていただけだったけど、何十年前この家で集った一夜のことひとつとっても、それぞれの記憶の断片が違っていて、集まることで大きな時間が立ち上がってくることが面白かった。それにしてもお酒飲まないし親戚で集うこと殆ど無かった我が家系との差を考えるのことよ・・・


◆金沢ところどころ◆

これぞ金沢の冬景色。




21美、今開催中の展示見たかったけど時間もなく映えで混雑してるだろうから行かなかった。これは朝方散歩で通りかかり。うん、建物自体好きじゃないんだよなあ。時代背景ゆえか極めて薄くフラットなこの感じ。
にしてもですよ、楽しみにしていた 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 も  
鈴木大拙館 も臨時休館中だなんて・・・今回、谷口吉生には縁がなかったということで。



12月3日(日) 小雨ふる金沢から長野、私の地元へ。カラッと晴れている。寒さの種類が違う感じ。この何年かで出来た店に行くと「お戻りですか」と声を掛けられる。そんな居場所もできたけれど、金沢と比べるとハードもソフトも弱すぎる我が田舎(比べちゃいけない)



12月4日(月) 準備したものの足りなかった書類を役所巡って漸く揃えて提出。数ヶ月のミッションがなんとかここまで漕ぎ着けた・・・。にしても昔母親が言ってたことを思い出して「あれかー!」て事象も多々あり、総合すると私初めての経験なのに結構レアケースモリモリだったってことだわね。しかしこれからが重く困難なミッションだな。なんにせよおつかれ自分。帰京前に寄ってみた隣町に出来たカフェがとても素敵で、良き避難場所が出来たなあ。



12月5日(火) さすがに体は疲弊しているけど心の中の重い荷をやっとひとつ下ろして、さあ今日はdipのライブだ!その前にどうしようかなと考えていたところY氏と大衝突し、更にボロボロで外出。マッサージを受けてみたけどピンと来ない。「体が軽くなりました!」ってテンション高い口コミしてみたい・・・/ 松濤美術館にて《「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容 》を観る。瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄の作品展示。瀧口修造が子供の頃に初めて撮った写真、エピソードも含めてグッと来た。大辻清司さんの代々木上原の商店街の写真に昂る。それにしてもこの時代の写真論読むと、ハテ今の状況どう思うんだろうな、と考えさせられる。だからホンマタカシもあんな展示するんだろうけど。 「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容|渋谷区立松濤美術館 / その後クワトロへ、dipワンマン。感想はいつも通り別途。