今年の音甘映画館【音編】

今年は1人でいるときは家でも音を鳴らさない時間のほうが多かったと思う。無音(といってもモーター音が少し響く)くらいがちょうど良かったし、隣の部屋でY氏がかけている、今年リリースのアンビエントめな音楽が聴こえてくるのを聴くことが多かった。自分からあれこれ聴くことが重くて、ちょっと遠くから揺らぐ音が漂うくらいの距離感が心地よかった。なので本来の意味で良く聴いていた音盤は某所で確認いただくとして、とはいえ私が私の選択で聴いて心に入ってきた今年のアルバムを記しておきたい。




Cornelius夢中夢 -Dream In Dream-

今年はこの作品に尽きる。小山田くんのミュージシャンとして生きてきてこれからも続けていく意志を、今の時代の空気を吸いながら真っ直ぐに提示した、素晴らしいアルバム。





Hayden Pedigo / The Happiest Times I Ever Ignored

The Happiest Times I Ever Ignored | Hayden Pedigo

前作同様今作も暑苦しいジャケだけど、中身は涼やかで美しいギターにぼーっと聴き続けてしまう。大好き。そういや特典にボーリングのピン、という笑いのセンスのアメリカンにも脱帽。






Edsel Axle / Variable Happiness
Variable Happiness | Edsel Axle | Worried Songs

Spotifyで上がってきて、ジャケが好みで聴いたら音もとても好み。Hayden Pedigoと同じくアメリカのギターインストだけどミニマルな荒涼感にグッとくる。今年後半の生活の傍にあった。

このPVの風景・・・!





AOKI, hayato / Hummingbird
AOKI, hayato / Hummingbird - 雨と休日オンラインショップ

ギターインスト、日本でといえば青木さん。空気を変えてしまう穏やかな静けさに満ちていて、特に後半のサウンドスケープにほぅっとしてしまう。





Gia Margaret / Romantic Piano
Romantic Piano | Gia Margaret

前作もベストに上げようかと思うほどだったけれど、今作は音楽的により推し進めた印象で静謐で誠実な音が素晴らしい。内省的な世界観とリンクするように今年前半の生活に特に共にあった盤。




◆番外編

吉村弘 / GREEN
吉村 弘 風景の音 音の風景 | 神奈川県立近代美術館
日本でも「再発見」されたわけですが、私が彼の音でまず思うのは「懐かしさ」で、何故だろうと考えるとセゾン文化な場所で鳴っていたからだろうかと考える。80年代に私が過ごした長野の地方都市に於いてもセゾン文化というものは存在していて、母に連れられたデパートや喫茶店や美術館の空気を思い出し、自分を振り返るという意味でも今年の私に染みた1枚。


最後にもうひとつ、書きます。