今年の音甘映画館

先日立ち寄った荻窪の書店Titleで面出しされた1冊が気になったのは、目を惹く装丁と書籍名がキッカケ。

cuon.jp
韓国金泉市のパン屋「ニューヨーク製菓店」の末っ子として生まれ育った、キム・ヨンスの自伝的小説。
お店を切り盛りする母、作家を目指す息子を見守る父、グローバル化の波が押し寄せる中で何度となく転機を迎えるニューヨーク製菓店……この世から姿を消しても心の中を照らし続ける“灯り”に思いを馳せる、静かで温かな余韻の残る短編を、韓国語原文と邦訳を一冊にしてお届けします。


地方都市の商店街にある菓子屋の末っ子として生まれ育った私には、綴られた風景が他人事とは思えなかった。クリスマスの店の光景も、母親の姿と顛末も。なにもかも。さめざめと泣いた。年末のこの時期に合いすぎたし、体調不良も相まって、心の奥に突き刺さった。私の中にある灯りはどこからやってきて、それを私はどうするのか。まだ実家の灯りは消えていないけれど。(来年の重い課題)



この1年の記録をざっと読み返すと、会社への不満が頻繁で苦笑する。このところは体調も良くなったと思っていたし、ちょっとした運動の成果が現れてきた自覚があったのに!最後の最後に絶不調で、今から年明けの出社が気重である。あああ。
人生の後半を如実に感じる。
以前は土日といえば普段使わない路線に乗って行きたい街に向かいお気に入りの店で過ごしたものだけど、もはやその気力が失せた。週末に行こうと思えども当日になるとめんどくさいなあと思い、行ったら混んでたり写真撮影やお喋りにうんざりしそうだなと思うと尻込みする。タイミングよく、このところ生活圏にも店が増えたこともある。
歩くことは好きだけど「体質的に歩き過ぎ(移動し過ぎ)はよくない」とも言われて確かにと思う。CDやレコードもさほど手が伸びなくなり、ライブも以前ほど行かなくなったし(と思えないかもしれないけど)、部屋では音が鳴っていないほうが過ごしやすくなった。映画はもはや観る体力が無く(評判の良い作品を見てもピンと来ないこともつらい)、小説は読み終えることができない。ごはんもたくさん食べられないから食べる気持ちも沸かず(消化困難になるのがつらい)、甘いものは好きだけど小さめ一つでもう無理だし、珈琲は極強深煎が重くなった。
自分の身体もつらくなってきたところに仕事のこと、親のこと、頭を持っていかれる。みんなそういうことも対処して生きているんだなあと思うと、自分の小ささにうんざりする。


去年大晦日の記録で引用した緒川たまきさんの言葉
GIRLS ROCK BEGINNINGS Vol.07 緒川たまき[後編] | GIRLS ROCK BEGINNINGS | 花椿 HANATSUBAKI | 資生堂
今再読してあああと見つめる。
『自分の身体を知ること、自分と会話すること』
私にはまだまだこれが出来ていないのだな。明日からの2024年に引き継いでいきたい。。。


そしてCornelius京都国際会館でのライブを観て綴ったことをあらためて。
すべてはこの限りで煙のように消えていくけれど宿った感情は残る。人もいつか消えてしまうけれど誰かのなかで生き続ける。音盤も建築物もずっとあるものだけど寿命があって、でも人が大事に維持すればあり続けることが出来るのだ。




今年は良き言葉で締め括れると思ってたのに、今は正直な気持ちで暗いことしか書いてないので(これが「2023年の私」だということで)、最後に今年買って良かったものを記録します!



卓上で焼き菓子などちょっとしたものを切る小さいナイフが欲しいなあと思ってたところ見つけた。先が尖っていないことがポイント。使いやすくてお気に入り。


今のレードル使いづらいなあと思っていたところ見つけたもの。掬いやすいし大きさもちょうど良い。


このスクイージーにしてからお風呂上がった後の水切りがしやすくなって快適です。さっきのレードルと同じメーカーだと気づいたよ。 山崎実業 | 100年を超える歴史あるインテリア雑貨の専門メーカー カタログ見ると発見がありそうだわ・・・


我が家の洗濯はY氏担当ですが、洗濯機がもう寿命だよねえと考え始め「ドラム式の乾燥機はシワシワになるしY氏在宅勤務だから必要ないか」などと研究に研究を重ねて、縦型のコチラに。私はまだスイッチすら触っていないのですが(おまかせなもんで・・・)、とにかく静かでビックリ。Y氏的には「フィルター掃除が楽」「次亜除菌コースでタオルも臭くない!」とのこと。
(アフォリエイトなんて望んでいませんよ・・・)



現在21時。今年も音甘映画館の扉を叩いてくださってありがとうございました。みなさまお互いに穏やかに暮らせることを、心から祈って。