カモミールのプールにぷかぷか浮かぶ


きょうも天気が悪かった。雨なのか曇りなのかはっきりしてほしい空模様。
肌寒い。あの暑さは悪夢だったと思えてくる。
どんよりと重いグレイのなかにこのアルバムを掲げよう。

カモミールのプール

カモミールのプール

ジャケが素敵。レコードで欲しい!
再生してまず一音が鳴っただけで空気が染め変わる。
むあんとしたかたちのないものがぽっかり浮かび上がる。
恐ろしく丁寧に不安定な軌道を描き
ゆるゆると沈んでは浮かび漂う音。
そこにわたしは浮かんでいるのか溶けているのか。
1曲目があまりにも素晴らしくぽかんと空を見つめてしまった。

しかしながら。それ以降は音というよりも唄が前面に出すぎてしまっている。
なにしろ音の粒が磨かれすぎてしまい、こんな硬質な触感では
サイケデリックな芳香に巻かれることはムズカシイ。
朝生愛さん自身の趣によるものかしら。うーむ。
とはいえギターで持っていかれるのはさすが栗原氏だわ・・

フリーフォークだなんだかんだといわれるのもフツーになった昨今、
ニッポンにもこんなに素晴らしい歌姫がいることをお忘れなきよう・・