馬頭将器 / 朝生 愛 / 山本精一

ghostの馬頭さんの初!ソロライブ、MANDA-LA2にて。

まずは朝生愛さん。この方のライブはいつも緊張感に溢れていて、身をくううっと潜めて聴き始めてもいつのまにか、緩やかに狂っている不安定な音のなかに溶けてしまう。アルバムタイトルでもある「カモミールのプール」にぷかりぷかり。今回のハイライトは、ゲストになんと石原洋氏!ギャー!しかも石原氏のソロの楽曲をデュエット!当然ながらまるで違う曲に生まれ変わっていて、これには静かにフルエマシタ。

山本精一さんのソロのライブを見るのは初めてなのでした。「奇才」なのにいい意味でキリキリしたところがなく、今日はそういうセットにしたのかもしれませんが朴訥とした演奏で、彼のひととなりが伺えるような…こういうところがファンの多い所以なのかなあ。

馬頭将器さんの声には、その場の空気をガラリと変えてしまう魔術がある。一気に持っていってしまった。長身でここの低い天井にぶつかりそうになりながら、奏でる音に引き込まれてしまう。かっこいいなあ。
ghostでのツワモノ演奏者たちとやり取りしながら作り上げていく世界も深く重く素晴らしいけれど、お話を紡いでいるようなソロの世界も素晴らしかった。彼がこれまで出会って吸収してきたものが、我を張る事なく静かにこちらに伝わってくる。

エフェクトかけたり奇天烈なことしたりではなく、「こういう音を作った」のではなくて「こういう音になってしまう」とでもいうような、そのひと自身が抽出されていて、それを密やかに聴かせてくれたライブでした。
それと、やっぱりMANDA-LA2の音響はよい!音の感触が生々しくて、空気を伝わってやってくることを実感しました。