3時から5時までのワタシ

少し前の話。映画館を出て余韻に浸りながら、一息ついてそのあとは美術館に行こうかなとウキウキしていたところ、携帯が無いことに気づき慌てて引き返す。しかし既に次の回の入場が始まった館内で探し出すのは難しく、この回が終わってからもう一度探すことになった。
それまであと2時間、さっきまでのうかれ気分は吹き飛び、頭はまっしろになる。個人情報が詰まりまくったアレを無くすなんて、まっしろな頭からまっくろな事ばかり浮かんでくる。電話番号覚えてる友人もいないしメアドもPCの知らなきゃわからない。うわあああああ。
…そうだauショップへ行こう!と駅周辺へ行くもたまにしか来ないこの街では見つけることが出来ない。普段あちこちで目にしているのに、こういうときになんで無いの!
そのまま呆然としながらふらふらといても立ってもいられず歩き出し、とっとこ一駅たったか二駅、ようやく見慣れたオレンジ色のauショップを見つけ利用を一時停止する。
まだ1時間はある、ああどうしようどうしよう、時間つぶしにカフェーや本屋なんて選択肢は浮かばず文字通りオロオロしていたらふと、「5時から7時までのクレオ」を思い出した、なんだ余裕あるじゃんか。
そのまま歩くことしかできなくてやみくもに歩いてつったか歩いて、その顔はきっと険悪蒼白だったと思うけども、ほどなくして映画館へ戻り、ぼーっとしてたらようやく時間になって中へ入った。不安を抱えつつカラになった客席でもう一度座ってた辺りを探る、が見つからない、イヤな汗が落ちてくる、一旦ロビーに出て一呼吸置く、と「ありました!」とスタッフの方、手には間違えなく私の携帯が。
ほっとして崩れ落ちそうになるのを堪えてスタッフの皆さんに何度もお辞儀をして、一気に恥ずかしくなってそそくさと退散。


ほっとしつつもさっきまでの2時間はいったいなんだったのか夢だったのかと落ち着かない妙なここちで歩いてたら見知らぬ路地を入っていた。そこにこんな店があった。

古き良きゲーセン!

そっと中を覗くとテーブルゲームに興じるオジさんが…。
なんかもこんなオモシロ光景見ること出来たのは携帯を無くしたからのように思うよ!この手に帰ってきた携帯でぱしゃり。
ホントにホンツに無くさないよう気をつけます。
 
映画館のみなさんありがとうございました。