台風一過と、「レイチェルの結婚」を見た話

台風ホントに来るのかしらと吞気にしてたら、一気に台風直撃で、真っ暗だった昨日の朝。8時半くらいだったか、激しかった雨が止んで急にぱああっと晴れて来て、この変貌振りに自然の力を強く感じたのだった。思わずワーイワイ!とハシャイデしまい、「天の岩戸」の神話を思い出す。その後は突風吹き荒れて、ウチのマンションの屋根(瓦じゃなくてシート状のやつ)がびゅ〜っと飛んだ瞬間を見てしまった、ぎゃー。大家さんに電話電話。

晴れ渡って、強い光が刺してきて、空がどこまでも続いてた、雲のクッキリさが眩しい。
大気は洗い流されたようで、夜空の下に輝くビルのライトがとても美しかった。


今朝はいつもより早く起きると外はまだ暗さが残る明るさで、青の度合いが増えてきた空にグレイ混じりの雲が描く模様が美しくって、角度の低い位置にいる太陽はオレンジ色に輝き、雑木林を照らしていた。金木犀の香りが部屋に流れてくる。

このところ夜中から明け方にかけて、何度も目が覚めることが続いている。だからか昼間はぽや〜と芯が眠っているようで、コレは映画見てもゼッタイ寝るなあ…と情けない自信がある。そんなワケで見たい作品が多々あるのに躊躇してしまう。

先月の話で恐縮ですが、見た映画で特に心に残っているのは、「レイチェルの結婚」。早稲田松竹にて鑑賞。
ロードショー公開時、日頃見ているブログのかたがたが一様に「傑作」と記していたのも納得の、しみじみといい作品だった。導入部の筋書と撮影方法についての情報くらいは事前に知っていたけれど、なによりも驚いたのは「音楽映画」だったこと!暗がりから流れ出す、止まらない音楽。そういえばジョナサン・デミって「Stop Making Sense」の監督なんだよねえ。
パーティの楽しさも馴染めなさも公平に映し出す視線も最後、「それでも私たちは家族なんだ」ということを肯定するやわらかな光に満ちていて、彼らに寄り添う音楽はメロディであり生活音でもあり雑音でもあり、私たちそのものなのだからとスクリーンが暗くなっても鳴り止むことはなく、私の心にすっと沁み込んでいったその感覚は、今もまだ立ち上がってくる。