00年代を振り返る〜音楽(結局南極渋谷系:編)

  • M:対談「 00年代を振り返る」、まずは音楽から行きましょうか。
  • Y:ん、じゃ渋谷系の亡霊のようなボクらなので、00年代における渋谷系的な音について、雑句把覧してみましょか?
  • M:えーっと、やっぱりコーネリアスの変化は大きいんじゃないでしょか?「あの」小山田くんが「無意識から曲を作る」という域に辿り着くとは…!(ガクガク)
  • Y:ガクガクを受けてブルブル。サンプリング/引用を多様した過多/過剰な情報量が反転しての「間引き/侘寂の世界」へ、ってな point(01年)には本当にビックリした、よねぇ(お姉言葉で)
  • M:サンプリングについてはイロイロめんどくさくなったこともあるし、引用も聴き手が認識したり探ったり、ニヤニヤと想像力を働かせていたのが、瞬時にそれこそ「情報」として処理されるようになったしねえ…。
  • Y:メタな視点でネタを構築してメタのメタのメタとか際限なく高層化してって情報戦が面倒臭くなったのかもねぇ。しかし、音数という意味での情報量は侘寂ったけど、ひとつヒトツの音の解像度&丹精な磨き込みという意味での情報量は逆にモノスゴク増えていて、挙句に2chから5.1chへとチャネル数も増えたし。
  • M:テクニカルな部分も勿論影響力大、とはいえ、感覚的な部分もひっじょーに大きいんじゃないかしらねえ。ほら、嶺川さん!
  • Y:え、どこどこ?ってボケは置いといて(with 脇腹に殴り跡)確かに、嶺川さんの fun9(99年) が間違いなく point と Sensuous(06年) へと繋がる最初の一歩のような気が(って、俺たち小山田評論家ですか?)。しかし、嶺川さんの Maxi On(00年) は、地味だけど00年代の音楽を先駆けていた名盤だとワスは思うねぇ(誰なんだアンタは)
  • M:嶺川さんは音楽的にもっと評価されていいのに、小山田ファンには因縁を付けられ(私に、か?)、若い子には知られてないだろうし、勿体無いよね。
  • Y:ちなみにボクはガリガリの嶺川さんファンなんだけど、貴方は果然断然なカヒミ・ファンだよね。そいえば、カヒミの NUNKI(06年) は00年代を代表する名盤だよねぇ(とケしかける)
  • M:や!もうね、イコール「フレンチ」と断言していい存在だったじゃんすか。しかし!「NUNKI」では新たな世界を作り出していてビックリしたよ!特徴的なあの声を「唄」ではなく「音」として使うことを見出し、笙も効果的に使ってた。自分のアイデンティティとはなんぞや?と見つめ直したというか…。共同制作者として起用する人選力も相変わらず上手いなあと思うケド(以下、長いので割愛)。
  • Y:ナゲーYO(鼻糞1ダース生産完了じゃんか)。あ、ダースといえば小沢君、Eclectic(02年)も 毎日の環境学(06年)もスルメ的に染みてくる名盤だと思うんだけど、ナンだろう、なんか感覚的なヒトに対する憧れと諦めの相混じった感じが作品や活動から滲み出ててセツナイんだよなぁ(そしてイマは…)
  • M:あー…(溜息)。に対して小山田くんは今やグラミー賞候補ですよ!んでも、お互いの近作はリンクする部分が感じられるよね(しかも、活動停止中の嶺川さん以外、全員06年に揃って新譜!→コチラを参照ね。)。
  • Y:なんだ余〜フリッパーズ関連の話題だけで1エントリー分になっちゃったじゃんか。もうここらで次の夜に行くために、00年代最大の驚きである、White Heaven 人脈とフリッパーズ人脈の交流、具体的には The Starsへの荒川さんの加入と小山田くんと坂本氏の共演にヒトコトふれつつ、以下、サイケの話に続くのであります