「小沢健二ライブ活動再開!13年ぶり全国ツアー決定」
昼休みの終わりに知ったニュースのことをずっと考えながら仕事をし(ダメ人間)、帰り道の足取りはふあふあとしていた。
「ゼッタイ見に行く!」と鼻息荒くはならなかった。心がザワ付いているのは事実だけど、ネット上でボコボコと湧き上がる泉を、ちょっと離れてるとこで眺めてるキブンだった。(「life」ってみんなに愛されてるアルバムなんだねえ…)
けれど、公式HPの「ことば」を読んで、受け入れ難さのイガイガが取れた。小沢くんがようやく解けた(溶けた)モノを、この目で耳で聴きたくなってきた。久しぶりに「こちらへ」向けられた言葉は、「ロングインタビュー」という名の「ひとり語り」で、私の頭の中ではあの「口調」と「手振り」で再生されたのだった。
以下、90年代前半から逃れられない私の、文字ばっかりのイタイ自分語りです…。
私にとって「小沢健二」は「オザケン」でも「王子」でもなく、「フリッパーズ・ギター解散後にソロデビューした」ミュージシャンだ。解散してからしばらくは、ロキノンジャパンが「情報源」だった。そう、あのころはネットがなかったから、憶測もなにもかも自分の胸にしまうしか無かった。
ある日新聞の社会面に「ソロデビュー」の広告が掲載されたあのときの驚きといったら!*1「アリス・クーパーのTシャツ」にまず動揺して、眩しそうな眼差しは新聞の印刷じゃよくわからなかった。
フリッパーズのライブを見ることは出来なかったけれど、ソロとして初お目見えとなった「日比谷野音のフリーライブ」には行った。あの日は朝から雨で、友達と朝早くから出かけて、列の長さにヒーッっとなりながらも並んで、始まる頃には雨は止んだんだった。
キャーッと興奮したものの、披露される楽曲はフリッパーズとはまるで違ったから、複雑な心境だった気がする。配られた歌詞カードは何処かに閉まったはずだけど、何年か後の失恋のときにウギャーっと捨ててしまった気がする。。。
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あの「ハイテンション・ハリキリ・スター」を「ドーナツの穴」の中で「意識的に」演じていたと思われるワケで*2。そういえば「広告批評 94年9月号」での佐藤雅彦氏(「ピタゴラ」のね)との対談において、「何故東大に入ったのか」という問いに佐藤氏は、「真ん中に行かないと何も変わらないと思ってた」といい、これは少なからず、小沢くんに影響を与えていたように思えた。そして、あるときから「恐ろしいアルバムだよ…」と聴けなくなった。
「うさぎ!」一連のテンションには正直面食らったけれど、今回の「ことば」を読んで、以前「どこへゆくのか呑み込まれるのか」で書いたことなどと噛み合ったりもして、ふうっと息をついた。ちょっと居たたまれない気持ちにもなったけど、でも新しい日々へ向ける「宣言」として嬉しく思う。
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今回の突然の「ツアー決定」、フライングはあったものの「唐突さ」は、これまでと全く変わり無いんだよなあ。
「LIFE」期の曲をやることにも驚いたけど、40を過ぎた(!)小沢くんが「20代終わりの怒涛の日々を作った」楽曲をどう表現するのだろう?小沢くんがどんなふうに「30代」を過ごしたのかが感じられるのだろうな、きっと。
小沢くんのこれからが楽しみだなあ。
そういえば私、さっき書いた「野音」以降、小沢くんのライブを見たことがなかったよ!