オルエットの方へ


オルエット、オルゥエット、オルゥゥゥエッットゥ!
パリの日常を離れて海でバカンス、笑う笑う笑う踊る跳ねる、木靴履いてダンスダンス、ぐちゃぐちゃになってエクレア食べて、寝転んで、空っぽのなんにもない日々をオンナノコ3人でただただ楽しむだけ、それをくすくす笑いながら見つめていた、ああずっと見ていたいなあってそれはきっと、彼女たちへの憧れの眼差しだったと思う。

ひとつひとつのシーンひとつひとつのエピソードが、たまらなくいとおしい。かといって布石になってるとか、啓示に満ちた意味のあることだとか、そういうことはまるでなくって、でもそれがバカンスじゃない?それが人生には必要じゃない?
キャッキャと弾けて始まったバカンスのあいだ、ドーナツトークを繰り返すばかりでなんにもなかったのに、徐々に波が引いてシュッとした寂寥感や喪失感が残るのはいったい何故なんだろう?

日にちの経過を知らせるタイポグラフィーがとってもステキだったり、いきなりこっちを向いてモノローグになったり、うなぎと延々戯れたり、オンナノコ同様自由に過激に軽やかに、なんてステキ!
なんて具合にこの映画のことを思い起こしていたら、「カメラ・トーク」を思い出したんだけどもね。


あくまでも映画館でスクリーンで、でも寝転がってだらだらと眺めていたい、このまま終わらないで!いや、終わりがあるからこそバカンスなのだ。