茶 Tea ―喫茶のたのしみ―


出光美術館にて(上記チラシ画像は公式HP*1より引用)。

東洋古美術のコレクションを中心とするこの美術館ですが、今回の展示は「茶道具を始め、関連する書画・工芸品を展示」「私たちの美意識が、喫茶を通してどのように育まれてきたかを用の美からふり返りつつ、個性豊かな日本美術の特質を探る」(公式HPより一部引用)とのこと。

茶道具の展示というと器中心で緊張感ある雰囲気がありますが、今回の良さは煎茶具や中国茶〜紅茶の茶器やそれにまつわる掛軸や屏風もあり、見ていてとてもわくわくしました。例えば屏風絵では、人々が屋外でお茶をのんびり楽しむ様が描かれていて、肩の力が抜けていきます。
煎茶具などを見るのも楽しくって愛らしくって、素敵ねえいいねえとほくほく。水注やポットもかわいいなあ。わたしからあなたへお茶を「注ぐため」の道具なのだよねえ。美しい造形や模様を配する水注を眺めていると、お茶を飲むことはなぜあたたかな気持ちになるのかわかるような気がします。
さすがに茶碗となると、空気がピンッと変わるのが凄い。天目茶碗の落ち着いた中からゆらっとでてくる艶めかしさったら!
「喫茶」は、「芸術」として地位が高められつつも、庶民のもとにも日々の楽しみとして残っています。今回の展示によって、茶とは「おもてなしの心」の表れであることを再認識し、だからこそ「多様な」方法で人々に広がっているのだと感じました。