BOMBAY BICYCLE CLUBの2ndと現在のUK/USロックシーン

Flaws

Flaws

1stが素晴らしかった彼らの2ndは全編アコースティックなのでビックリ。しかしそれによって彼らの意識の高さ・音楽性の特異さが滲み出し、前作よりも更に地味だけど深みのあるアルバムになっていました。前作で収録された曲までもがセルフカバーされているのです。これはソングライティングに自信がないと出来ないハズ。ライブを見たときに改めて思ったけど、音楽を幅広くたくさん聴いて育った血肉が感じられるのです。引き出しが多いなって思う。
穏やかでやわらかいけれどどこかイビツなのは、ボーカルの「変な」声質含め、一筋縄でいかない彼らの持ち味のなせる技なのでしょう。アコースティックでも、女性誌の音楽コーナーに載っちゃえるような「ほっこり」文脈でもないこの感じ。
にしても何故彼らはあまり話題にされないのだろう?と不思議なのだけど、雑誌やネットや店舗を飾る他のバンドの新譜レコ評を見て聴くと、納得出来るように思うのです。
それは「シューゲイザー」が前提で、「サーフ」で「ローファイ」で「フォーキー」で「ドリーミー」で、「リヴァーブ」がかかったボーカルが織り成す「淡いサイケデリア」って冠付いてるのばっかりだなってこと。あと「ジャグリー」なギターポップもね。多いー、ホント。
そういう分かりやすい表面的なタグが無いから、デビュー時も来日ライブも今回の新譜も大きく取り上げてもらえず、ボンベイは地味な存在なのかなあと、穿った見方ですがそう思ってしまうのです。
もっとも、先に挙げたような楽曲のバンドは、私がオンタイムで大好きだった90年ころのシューゲーザーバンドや95年ころのブリットポップバンドように若い世代の「時代のヒトカケラ」を担うのだろうし、私が新鮮に思えないのは歳取った証拠だけど。