レネットとミラベル/フォロー・ミー/小さな山のまわりで/トラス・オス・モンテス/観賞用男性

映画感想をちょこちょこ書いていたのをまとめました。

レネットとミラベル 四つの冒険

2月15日。下高井戸ロメール祭り。やっぱりミラベル、かっこいいなあ。生まれ育った環境によって作り出される、物事への考え方や感じ方によって「世界」はこんなにも違うのだって思う。そして、出逢った他人のそれやこれを自分で消化させることで、新しいものが自分のものとして生まれるのだ。彼女たちの人生のほんのわずかなひとときを覗いたキブン。それも私のなかで、あたらしいなにかに変わるのだ。

フォロー・ミー

2月25日。一部で熱く語られていたのも納得の、素敵な素敵な映画だった!ミア・ファローもかわいいんだけど、やっぱりトポル!トポル、かわいいよトポル…。彼の後半の語りかけにはぐっときたなあ。イイヤツすぎるよ。。。冒頭「なんなのだこのおもろいオッサン!」と思ってただけに、中盤から「あれ?→ああっ!→あー…(ううう)」って変化が、もう素晴らしい。それと小道具としてのお菓子(食いしん坊)が印象的。マカロンむしゃむしゃとか、キャンディーとか。映画館の前にあった屋台のアップルパイ屋?さん、あんなのあればいいのにッ!

小さな山のまわりで

3月5日。東京国際映画祭で上映されたリヴェット最新作、このままいつ日本公開?という具合なので、横浜の日仏会館での上映会へ。コスチューム・プレイの前作とは一転、コンパクトでさらっとした感触のなかに取られている、リヴェットならではの「映画の図式」にシビレル。ジェーン・バーキンが抱える「トラウマ」は一般的な映画ならば団扇で扇ぐように盛り上げるだろうけど、「解ける」シーンなどあっさりと見せてくれ、あっさりといいつつもぐっと心に「鞭が打たれ」るところが、やっぱり信頼し敬愛出来る点だなあ。セルジオ・カステリットのコミカルだけど包容力を感じさせるところが好きなのだけど、まさに彼らしい役どころ。邦題から浮かび上がる風景そのままの舞台に胸がすうっとする。

トラス・オス・モンテス

3月7日。ポルトガル映画祭再び。この作品は凄まじかった。このまま永遠に見ているような気がした(前半寝たけど…)。この土地の歴史が語り継がれ、その年月が刻まれた人々の顔や風景や、走る機関車の煙など忘れられない。今この土地の人々はどんな暮らしぶりなのだろう。「阿賀を生きる」をふと思い出した。会場の新百合ミニシアター、いいな。運営されているかたがたの心意気を感じる。見る前に界隈を散歩したんだけど、山を切り崩してどんどん範囲を広げて宅地造成されていくニュータウンの「ノイズの無さ」を体感したあとなのも良かったかも。
「私たちの好きな八月」見に行けなかったなあ…。また機会があるはず、必ず。

鑑賞用男性

3月10日。おもしろかったー。こちらも熱く語られているのも納得。冒頭からなんてモダンなんでしょと震えた。ファッションにもドキドキ。なんで今、こういう映画が作られないのだろう。有馬様のダンスシーン、すっごく素敵だったなあ。あとあと芳村まりがすっごくキュート!服装やメイクに全然古さを感じないの。ファッション誌のモデルを見てるみたい。時代がぶり返してるのもあるけれど。にしても、観客は30代女性の割合がいつもに比べて高かったなあ。グループもいたことに驚き…。
神保町シアターの今回の企画「女優とモード 美の競演」、反応も高かったしスタッフの方々の気合も感じられましたが、一時中断になってしまい残念です。しかし客層や館内のつくりなどを踏まえての冷静な姿勢に納得。いよいよ3月26日(土)より平常通り営業を再開とのこと、楽しみ!


地震の影響により都内の映画館も各館対応が異なっている。やるにしろやらないにしろ、その映画館ごとに異なる事情(館内の安全対策や客層等)あってのものなのは、観客側と同様だと思う。こんなときだから映画を!もこんなときに映画なんて…も、どちらもあって当然。今見に行きたい映画はやっぱりあるし、見れる状況であれば足を運びたい。でも、映画はたいてい平日夜に見ていたから、今時点で「夜の上映回の中止」が多くなったのは個人的にはイタイ。。。こういうところから変えないと、なのだろうなあ。もっともしばらくは会社帰りにふらり、も出来ないケド。新作ならば名画座を回ったら、とも思うものの、どんな状況になっているのだろう。