長崎は坂の街、路地の街


長崎を歩いていて驚くのは、坂道の多さです。海沿いの街であり、海岸線から上がっていき山へ繋がる道なりに街が形成されています。坂道のずっと奥のほうまで家々が並んでいるのです。

こちらは「オランダ坂」界隈。東山手地区の外国人居留地にあり、有名な観光スポットです。オランダ坂といってもひとつではなく、当時は「オランダさんが通る坂」という意味でこのあたりの坂はすべてオランダ坂と呼ばれていたようです。ちなみに「オランダさん」は西洋人の総称であります。

こういう道を通ると、昔の人々が行き交ったのだなあと頭の中の時間軸がタテヨコにクロスして、震えます。単純に嬉しいのです。

それにしても暑い。日差しが照りつけます…。行く先々に教会のモチーフが見えるのも、長崎らしいです。



お次はと、歓楽街の奥の道を行くと…

オオー!この眺め!

更に進むと、すっかり住宅街のなか。

途中に休憩用のベンチもありましたよ。



こちらは寺町の方面。趣ある石垣と坂の石畳、歴史を感じさせる散策路。

この石段は神社の参道で、かなり急で長い…。その先に高校があるようで通学路になっているようです。これは体力つくね…。


そういえば長崎では自転車をほぼ見かけませんでした。実際自転車屋さんも平均より数が少ないようで、自転車を乗らないまま原付の免許を持つ人も多いそう。確かに自転車、乗らないですよね、この坂では。。。朝、坂の上のほうから市電の終点駅目指して走ってくる通勤通学の方々の多さに驚きました。
日々足腰が鍛えられているひとが多いからなのか、高齢者が元気だなあと思いました。朝から買い物や何やらで歩いている人が多いのです。若い人が少ないということではなく、まんべんなくどの年齢層も街にいて、活気にあふれていました。



また、街中に大小様々な「市場」「商店街」がありました。どこも地元の方々が日常の食糧を購入する馴染みの空気があって、いい雰囲気です。港から卸した生鮮食材が並ぶ市場、お菓子や衣類などちょっとした買い物をする商店街に、チェーン店も並ぶアーケード商店街…どこにも個人商店が軒を連ね、今も現役といった感じ。いわゆる「シャッター商店街」ではなく、どこにも人の息遣いが感じられます。wikiによると「市域面積の13.1%である市街地に人口の約78%が住み、市街地の人口密度は、7900人/km²と過密である」とのことなので、人の暮らしがぎゅっと凝縮されているからなのかな。



私が特に気に入ったのは「唐人屋敷跡」の裏通りです。
 
「唐人屋敷跡」は江戸時代の中国人居留地で、長崎では元々、独占的に中国との貿易を行っていたところ、密輸などを恐れた幕府が唐人達を収容する屋敷を建設したものです。当時立ち並んでいた長屋は今はありませんが、中華式のお堂がいくつか残されていることに加え、今も人々の暮らしが息づきながら「館内市場」を中心に狭く雑多な路地が迷路のように入り組み、なんともアジアで昭和なニオイがするのです。坂道なので起伏ある景色も楽しい。坂を上って歩けども歩けども道は続き、それに沿って家も並び、角を曲がりその先へとまた誘われる…。旅行中幾度かここへ来ましたが、どれも夕方だったことが雰囲気に合っていたのかもしれません。

夕方で閉まっているけれど、魚屋さんや野菜屋さんなどがひしめく「館内市場」です。ちょうど小学生の下校時刻で、グループになっている子供たちがはしゃぎながら市場の方々と挨拶し、その後は鬼ごっこみたいな遊びをしている光景が印象的でした。ここに限らず、小学生が男女交えたグループで外で遊んでるのをよく見かけたなあ。
さて、この界隈が未だに古いまま残ってきたのは車が入れないことがあると思いますが、数年前から再開発の動きがあるようで、既に立ち退きが行われ、個人商店も建替え・改装がされていました。

変に「中華風」を残そうと装飾だけそれっぽくしてるのです…。逆にチープになってしまっているのが切ない。再開発は止むを得ないとは思いますが、表面だけ残すのはどうかなあ。。。

電気屋さんがこんな姿に…。そして風呂屋さん。左側の細かいタイルは本物ですが右の中華装飾はプラ板とプリントです…。


さて繁華街へ戻りましょう。

思案橋」、なんとも素敵な名称。とはいえ橋はありません。かつてこの付近には川が流れており、その向こうにある花街(丸山)への門前橋のように架かっていたのが思案橋遊郭へ“行こか戻ろか”と「思案」したので名付けられたとのことですが、戦後の道路拡張工事により暗渠になったそうです。
「思案」、シアン、シアン、などと耳にするとワタクシなぞは「シアンな夜を探しに」行きたくなったり、「シアンは光り冴えわたれ〜」と歌いたくなるんですよ!宿泊がこの辺りだったので毎日通る度に頭の中再生ですよ!(酷いd脳…)
で、この袂にこんな店が。

思案橋カメラ」…なんか藤子不二雄っぽい。

で、その脇の、こんな不思議な地名のある路地を入っていくと

じめっとしてて昼でもちと怖くなる佇まいがそこに。猫はもちろんいましたよ。


※前回の旅猫日記アップした土曜の夕方に「背中が痛いなあ…姿勢悪い中でPCつかってたせいかしら」と思ったのですが、その晩急速に体温上昇、39℃。次の日に当番医へ向かい、なかなか熱が下がらずに金曜日まで寝込んでおりました…。急性扁桃炎によるもので、口唇ヘルペスにもなり、喉の腫れが痛くて水すら飲み込めず、ごはんも食べられず。。。今は喉の腫れとヘルペスが若干ありますが熱も下がり、楽になりました。ご心配おかけしました!皆様も夏バテ・疲労にお気をつけ下さい。